ですが、必ずしも価値を先に伝えるべきかというと、そうではない場合も存在します。典型的なのが、セール商品です。明らかに本来の商品より安い商品などは、最初に価格を伝える方がお客様の興味を引くことができます。
誰がどう見ても、高そうなレザーのジャケットが、「定価10万円が、セールで1万円なんです」と言われたら、興味を示して、商品説明を聞きたくなりますよね。明らかに商品価値に対して価格が安い場合は、このように価格を先に伝える方が、効果的です。
価値を先に伝える方がいいのか、価格を先に伝えるか方がいいのかは、商品や場面によって変わっていきます。商品に関しては、先ほど書いたような変化が起きますし、お客様の金銭感覚や価値の感じ方によっても、同じようにどちらが先かは変化します。顧客として長年通っているお客様の場合は、すでに商品の良さを知っていたりするので、先に価格を伝えた方が興味を引ける場合もあります。
どちらのやり方が良いか悪いかという話ではなく、臨機応変に場面に応じて、変化をつけられる販売員でいられるかどうかという話です。あなたの扱う商品や、接客するお客様のことをしっかり考えてみてください。どの場面で、どちらを先に伝えればいいのか。これができるようになってくると、自然と商品の購買が決まっていくので、クロージングで無駄な労力を使う必要も無くなります。
今日のおさらいです。
- 伝えるべきは、価値が先か、価格が先か、臨機応変に伝えられるようになる。
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