会社が勝ちました。「セクハラはあった」と認められたのです。なぜか? それは「被害者の言い分は信用できる」と、認められたからです。その具体的な理由は下記の通りです。
- 被害者側の供述が、多岐にわたるものでそのどれもが具体的かつ詳細であり、不自然、不合理な点が見当たらない
- 被害者は加害者(上司)に以前から仕事上で高い評価を得ており、虚偽の供述をしてまで加害者を陥れる必要性がない
- 被害者である27歳独身の女性がセクハラ行為を第三者に話すことは相当に心理的抵抗があり、最初は供述することを拒んでさえいた(にもかかわらず、供述をした)
以上のことから「被害者の言い分は信じられる」としたのです。
いかがでしょうか。セクハラにおいてはこの言い分が食い違うというのは「よくある」ことです。その理由として、その行為に対するお互いの認識が違うという場合もありますが、「(たとえウソでも)言い張れば大丈夫」と考える人が多いというのもあるでしょう。
では、もしそうなった場合はどうすべきか。ポイントは3点です。
- セクハラ行為時点だけでなくその前後の事実関係を確認する
- 被害者と加害者の人間関係を確認する(関係は良好だったか、恨み等は無いか)
- 加害者の普段の行動を別の社員からも聞く(他の社員に対するセクハラやそれらしい行為は無かったか)
また、そもそものセクハラが起きないように定期的にセクハラ研修等を開催するのも会社としては必要でしょう。万が一、実際に問題が起きた場合は、「セクハラ研修などの対策をとっていたか」というのも裁判に影響します。
問題が起きない仕組みづくりも起こる前に進めていきたいですね(セクハラ研修を受講後に「こんなんじゃ、女性社員と会話ができないよ」という発言をした社員がセクハラと認定された裁判もあります。くれぐれもご注意を)。
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