京都市内に意外と多い縁結びにご利益のあるスポット。「すべてを周りたいけれど時間がない」という方のために、今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者で京都に詳しい英学(はなぶさ がく)さんが、 選りすぐりの縁結びスポットを3つに絞って紹介しています。
選りすぐりの縁結びスポットベスト3
今回は縁結びに御利益があるパワースポットのうち選りすぐりの3ヶ所の神社をご紹介します。
京都市内には、20~30ヶ所程の縁結びにご利益のある神社やお寺があります。しかし、観光で訪れてその全てを周るのは大変ですし、どこに行ったらいいか悩んでしまいますよね。そこで市内で御利益があり、1日で直ぐに周れてしまう3ヶ所をご紹介します。
地主神社
image by: 京都フリー写真素材
まずは京都で一番古い縁結びの神様、「地主神社」に行ってみて下さい。この神社はご存知の方も多いと思いますが、清水寺の本堂の裏手にある神社です。神社の本殿前に10メートル程離れた場所に人が腰掛けられる程の大きさの2つの守護石があります。これが有名な「恋占いの石」です。
目を閉じたまま、ひとつの石からもうひとつの石までたどり着けば恋が成就すると言われています。たどり着けなくても大丈夫です。何度やっても構いません。もちろん一度でたどり着けば恋が成就するのは早いとのこと。2、3回でたどり着け着ば成就はするが時間がかかる。人から助言をもらってたどり着いた場合は、恋の成就にも他人の力が必要といった具合です。
この「恋占いの石」、実は縄文時代からあったと言われています。清水寺が建てられた時は1,200年くらい前ですが、そのはるか前から存在していたとは驚きですね。
地主神社の拝観料は無料ですが、清水寺の敷地内にあるので、清水寺の拝観料を払うことになります。清水の舞台を通って直ぐ左に曲がった場所から上がって参拝して下さい。
● アクセス
- JR京都駅・近鉄京都駅から市バス206・100系統で12分
- 阪急河原町・京阪祇園四条駅から市バス207系統で12分
「京都地主神社」
〒605-0862 京都市東山区清水一丁目317
安井金比羅宮
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こちらは、縁切り神社です。縁結びよりまず縁を切りたい人がいる時はこちらからどうぞ。良縁に恵まれるためには悪縁を断ち切るのが大切です。
必ずしも人との悪縁ばかりではありません。お酒やタバコ、ワガママな自分や三日坊主の自分などでも構いません。今までの自分と縁を切って新しい自分に変わりたいという人も足を運んでみて下さい。
「安井金比羅宮」は平安後期の崇徳天皇にゆかりがある神社です。崇徳天皇は「保元の乱」に敗れたのち讃岐に流され、そこで世の中に怨みを持ったまま崩御したと伝えられています。
崇徳天皇がなぜ「縁切り」と関係があるのか? 流刑となった時に、崇徳天皇は讃岐の金比羅宮ですべての欲を断ち仏教に帰依しました。愛する人との縁など全ての縁を断ち切らなければならなかった崇徳天皇の哀しみが、悪縁を断ち切ってくれるというわけです。
「安井金比羅宮」に行ったら是非「縁切り縁結び碑」にお札を貼ってみて下さい。社務所前にある高さ1.5メートル横3メートルの石の真ん中に、直径50センチほどの穴があいています。
まず、お札に「切りたい縁、結びたい縁」を書きます。それを持って、表から裏へくぐり抜けると悪縁を切り、裏から表へ抜けると良縁を結ぶご利益があります。
その後、おふだを碑に貼りつけるのです。実際にこの穴を這ってくぐり抜けると胸がスッとして気持ちが楽になる感覚がありました。是非体験してみて下さい。
● アクセス
- JR京都駅・近鉄京都駅から市バス206系統北大路バスターミナル行「東山安井」下車南へ徒歩1分
- 京阪本線「祇園四条」駅から徒歩10分
- 阪急京都線「河原町」駅から徒歩15分
「安井金比羅宮」
〒605-0823 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
今宮神社
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女性の憧れ、玉の輿に乗れるかも知れない、別名「玉の輿神社」とも呼ばれています。市内中心部から少し離れた紫野という場所にその神社はあります。周辺で大きな名所と言えば大徳寺でしょうか。
「今宮神社」は平安時代、一条天皇の時代、都で蔓延した疫病を鎮めるために創建されたと伝統ある古社です。それが玉の輿の御利益があると言われるようになったのは江戸時代以降のことです。
その由来は徳川五代将軍綱吉の生母、桂昌院玉子にあります。桂昌院は西陣の八百屋の娘として生まれ、名前は「お玉」といいます。お玉は徳川三代将軍家光に見初められ側室になりました。そして江戸城に迎えられる時にお玉がお興しに担がれて将軍に嫁いだことから玉の輿という言葉が生まれたと伝えられています。大奥で権勢をふるい従一位に昇り詰めた後も故郷西陣の興隆に力を注いだといいます。荒れていた今宮神社の社殿修復をするなど、神社の再興にもつとめたそうです。京都には他にもいくつもの場所で桂昌院が復興した寺社仏閣があります。とても故郷京都への想いが強かったことを感じさせてくれます。
今宮神社に行ったら是非名物あぶり餅を食べて下さい。今宮神社でのお参りを終えて、東側の山門を出ると2軒の「あぶり餅」のお店があります。香ばしい匂いに包まれているので是非一息ついて行って下さい。「かざりや」と「一和(いちわ)」という茶屋が向かい合わせにあっていつも賑わっています。
「かざりや」は創業約400年、「一和」は1,000年、平安中期の創業です。さすが京都ですよね。千利休の菩提寺が大徳寺の塔頭の一つということもあり、利休も「あぶり餅」をお茶菓子として用いたと言われています。
「あぶり餅」はきな粉をまぶした親指大のお餅を竹串に刺し、炭火であぶり、白味噌に浸したお菓子です。昔ながらの風情が残る茶屋なので是非立ち寄ってみて下さい。
- 営業時間:「かざりや」10:00~17:30 「一和」10:00~17:30
- 定休日:どちらも水曜日(1日15日祝日の場合は翌日休)
● アクセス
- JR京都駅より市バス205・206系統「船岡山」下車北へ徒歩7分
- 阪急烏丸駅より市バス46系統上賀茂神社行き「今宮神社前」下車すぐ
「今宮神社」
〒603-8243 京都市北区紫野今宮町21
1日で3か所全部めぐるにはまず、清水寺を目指して「地主神社」に行き、産寧坂・二年坂をから八坂神社まで歩きます。散策を楽しみながらそのまま徒歩で「安井金比羅宮」まで行きます。その後は市バス206系統で「今宮神社」に行くというのはどうでしょうか?
いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。
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