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実は祝日の数は日本が世界最多?「休み方」から考える文化の違い

5月6日の日曜日で終わった今年のゴールデン・ウィーク(GW)。実はこの言葉、海外では通じない和製英語ということはご存知でしょうか。米国では「連休」もほとんどなく、年間の祝祭日は10日ほどだそうですが、最近始まった日本の「プレミアム・フライデー」を「過労死しないように作られた」と一部の欧米人には信じられているそうです。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNY在住のりばてぃさんは、和製英語GWの語源2説を紹介しつつ、日本人の勤勉さが海外でどう見られているかについても記しています。

休み方から考える文化の違い

(1)GWは英語じゃない

ゴールデン・ウィーク(Golden week 略してGW)明けの今週。

長い人は9連休にもなったということで、まだ本調子が出ない方も少なくないだろう。ゴールデン・ウィーク中に働いていて、お休みはこれからと言う人もいらっしゃるだろう。

いずれにしても、日本人なら誰でもお馴染みゴールデン・ウィーク。

あまりにも当たり前になっているせいか、たまに日本の方から、「アメリカのゴールデン・ウィークっていつなの?」というような質問を受けたり、逆に、アメリカ人に「ゴールデン・ウィークって何?」と聞かれることもあったりもする。

ゴールデン・ウィークはカタカタなので英語だと思っている方もいるかもしれないが、実は、英語には存在しない表現なのだ。

日本で作られた造語で和製英語

英語で話してるときに外国人にゴールデン・ウィークと言っても、まず通じることはない。

この造語の由来には2つの説がある。

1つは日本映画界で作られた造語という説。

1951年に現在のゴールデンウィークにあたる期間に上映された映画が、正月やお盆の時期よりもヒットしたのをきっかけに、より多くの人に映画を見てもらおうと、当時の大映専務だった松山英夫氏が作ったとされる。

もう1つはラジオのゴールデンタイムからきたという説。もっとも聴取者が多かったのがこの時期で、インパクトをつけるために、「ゴールデンタイム」をゴールデン・ウィークにしたというもの。

ただし、どちらの説もはっきりとした確証はないのだそう。

(2)勤勉で責任感の強い日本人

そもそもアメリカでは日本のように祝祭日が連続して長い連休になることがあまりない。

アメリカの連邦政府が決める祝日は以下のように、年間10日しかないのだ。

連邦政府が定める祝祭日(Federal holidays)

1月1日 ニューイヤーズ・デイ(New Year’s Day)

1月第3月曜 キング牧師デイ(Martin Luther King, Jr. Day)

2月第3火曜 ワシントン誕生日(Washington’s Birthday)

5月最終月曜 戦没将兵追悼記念日(Memorial Day)

7月4日 独立記念日(Independence Day)

9月第1月曜 レイバー・デイ(Labor Day)

10月第2月曜 コロンバス・デイ(Columbus Day)

11月11日 復員軍人の日(Veterans Day)

11月第4木曜 感謝祭(Thanksgiving)

12月25日 クリスマス(Christmas Day)

そういえば、日本の祝祭日は何日間か気になったので調べてみたら、日本の祝祭日数は17日間もあり、世界1位なのだという情報もあった。

プレジデント・オンラインの記事によると、祝祭日数1位の日本は17日、2位は香港で13日、3位はシンガポールで11日。ちなみにアメリカは4位で10日(詳しくは上述のとおり)。

ただし、各国の年間の祝祭日数には諸説あるようで、日本が2位や3位という情報もチラホラ。

若干日数や順位が違ってはいるが、いずれにしても、日本の祝祭日は世界でも比較的多いほうとなっている。

ご参考:
祝祭日数世界1位!日本人は休みすぎ!?

【祝祭日の多い国ランキング】実は日本が世界第2位だって知ってた?

こういう祝祭日の数の違いももしかすると、文化の違いやライフスタイルの違いに影響を与えているのかもしれない。

勤勉で責任感が強く、相手を思いやる気持ちの強い日本人には、政府が率先して祝祭日を作って、みんなで休めるようにするということなのかもしれない。

昨年2017年の流行語大賞を受賞した「プレミアム・フライデー」が作られたのも、みんなで早く帰れるようにするという発想からとのこと。

「プレミアム・フライデー」って何だったっけ?という方もいるかもしれないので簡単に説明すると、もともと経団連が景気刺激策のために検討していたものが、日本政府の働き方改革の一環として普及させることになり、毎月最終週の金曜日午後3時に退勤しようという取り組みのこと。ちなみにこれも造語で和製英語

ただし、この日本政府の取り組みは、欧米メディアでも報じられているため、もしかすると、今なら「プレミアム・フライデー」という言葉は、外国人にも通じるかもしれない。

せっかくなので、ご参考までに日本政府の「プレミアム・フライデー」の取り組みを報じた欧米メディアの報道をご紹介しようと思って調べてみたら驚いた。そのタイトルからして衝撃的。例えば、以下のような感じなのだ。

「日本のプレミアム・フライデーは過労死を防ぐ試み」(Japan’s ‘Premium Friday’ Attempts to Stop Death by Overwork)

「プレミアム・フライデーは自殺を減らすことができるか?」(Can ‘Premium Friday’ help reduce suicides?)

ご参考:
Japan’s ‘Premium Friday’ Attempts to Stop Death by Overwork

Can ‘Premium Friday’ help reduce suicides?

どちらの報道も、真面目で勤勉な日本人が働きすぎて死なないように日本では政府がプレミアム・フライデーという制度を作ったという主旨でニュースになっているのである。

しかも、どちらの動画ニュースでも、過労死は英語でもKaroshi”と日本語がそのまま英語になって用いられているのだ。

(他の人々への影響まで考慮して)働きすぎて命を落とすという現象は、通常、英語圏には存在せず、過労死を一言で置き換える英単語がないということなのだろう。

それが良い悪いは別にして、こうした報道からも、日本人の勤勉さや他人を思いやる姿勢などは、海外の方々に知られていくことになっているようだ。

image by: shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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