なぜトランプを騙しにかかる金正恩を中・ロ・韓が後押しするのか

 

6月12日にシンガポールでの開催が決まった米朝首脳会談。北に対して「核兵器を放棄すれば安全保障を提供」とする米国ですが、制裁解除・経済援助については両国の間に隔たりがあるようです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、金正恩氏は父・正日氏と同じ手口でアメリカをペテンにかける気であると指摘。さらに中国、ロシア、韓国も北の核保有を黙認するつもりだという理由について記しています。

米朝会談の焦点(だましあい)

皆さんご存知のように、米朝首脳会談は、シンガポールで6月12日に開催されます。トランプさん、金正恩さん、今何を考えているのでしょうか?

まずは、アメリカの意図について。

「北に安全保障提供」米国務長官、非核化の見返りに言及

5/14(月)6:01配信

 

【AFP=時事】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は13日、テレビ局のインタビューで、北朝鮮が核兵器を放棄するという戦略的選択を行えば、米国は北朝鮮に安全保障を提供する用意があると述べた。

核兵器を放棄すれば安全保障を提供する」そうです。

米国が北との国交正常化の代償として求めるのは、完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化だ。
(同上)

ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障担当)は別のテレビインタビューで、北の非核化は「恩恵が出始める前に」完遂されなければならないと警告した。
(同上)

「完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化」
「北の非核化は『恩恵が出始める前に完遂されなければならない」

これは、日本の立場そのままですね。日本は、北は「非核化の約束だけで、制裁を解除させ、経済支援を受け、核はこっそり保有する」ことを恐れている。しかし、アメリカ政府サイドの発言を見る限り、アメリカも、「だまされる可能性を十分理解しているようです。

ところで、北朝鮮側に見返りはあるのでしょうか?

ポンペオ氏は、「確実にしようと思ったら、安全保障を提供しなければならない」、「これは25年間未決のままの取引だ。北朝鮮の首脳に、この取引が真に可能だと思わせる状況に米国を導いた大統領は過去にいなかった」と述べた。
(同上)

見返りは、「安全保障の提供」だそうです。別の言葉で、「体制保障」でしょうか。つまり、核兵器がなくなったらアメリカは北朝鮮を攻撃しないし金王朝の存続を許すと。

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