ついに被害届提出。日大アメフト騒動の根底にある「昭和の監督体質」

2018.05.22
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2.小学生でもぶん殴っていた昭和の体育教師

全日本女子レスリングヘッドコーチで至学館大学の監督を務めた栄氏も含め、昭和の時代に活躍した選手出身指導者です。プロ野球の監督でも、元名選手という例は数多くあります。しかしながら、プレーヤーとしてどれだけの名選手だったとしても、監督や指導者の技能と同じではないことは、すでにさまざまな失敗例である程度は明らかといえるでしょう。

今の感覚では考えられないことがフツーだった昭和の時代。小学校ですら教師から殴られるのはフツー。中学高校と体格が良くなればもっとエスカレートし、練習中に水を飲んだからとか、今ではあり得ない理不尽な言いがかりの暴行すらもありでした。そんな中で出世して、大学の大幹部になった方々ですから、企業では当然の人的管理やコンプライアンス意識とは無縁で来られてしまったのだろうなと感じます。

レスリング協会のパワハラや財務省のセクハラ事件など、昭和の時代は許されていた古い慣習がどんどん通用しなくなっています。今、若い学生たちが恐怖するブラック企業問題も、昭和ならフツーで済んでいたことだらけ。昔サムライは刀を持つことができましたが、今やれば銃刀法違反です。武士による無礼打ちという殺人は、当時の法律が認めていたとされますが(※)、もちろん現在通用するわけがありません。これと同じです(※:実際にはさまざまな規制があり、誰でもかれでも許されたものではない)。

今回の事件やハラスメントとされて問題となっているトラブルは、昔は精神論で済んでいたことに法律が介入するようになったからです。この変化をしっかり取り入れている組織とそうでない組織の差が、一連のセクハラ、パワハラ、反則行為などに共通して見ることができます。巨大で歴史と伝統ある組織の弱みともいえるものではないでしょうか。

3.名選手と名監督は別物

体育会学生が悪いわけではありません。スポーツの世界ですら、無意味な精神論では勝てないことは完全に共通認識です。今やプロでもアマでも本格的なスポーツの世界では、根性とは関係なく科学的トレーニングが行われています。「水飲むな」「ウサギ飛び」のような完全に科学的に否定された指導は「無礼打ち」同様にもはやあり得ません。

しかし問題はそうした時代の変化や科学的思考に、スポーツ関係者のトップがついて来られているのかという点です。役職上人事担当だからというだけで、取って付けただけのパワハラ問題責任者がパワハラを働くような事象が起こるのはこうした組織です。スポーツ団体などでは、そのスタッフに組織や経営の専門家やそうした専門知識を持つ人が多くいるようには全く見えません。そうだとすればそんな組織はこうしたトラブルリスクの塊といわざるを得ません。

当事者の記者会見に臨んで、法的な準備はされていたのかと思いますが、その上の危機管理についてはおよそ準備は不十分でした。本人はもちろんですが、大幹部を支える周囲のスタッフにおいてもそのような危機対応認識がなかったのではないでしょうか。

たとえスクールカラーであってもピンクネクタイをしたり相手校の名前を呼び間違ったり、責任はすべて自分と言っているにもかかわらず辞任するのはあくまで監督職だけで、核心の疑問や理事責任へは回答しなかったり、6日の事件発生から2週間もの時間を経ておきながら「相手校への謝罪を優先したのでマスコミ対応が遅れた」という理由になっていない理由など、おそらく炎上の火がますます燃え盛ることはあっても鎮火には程遠いものになることでしょう。

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