郵便局の全国通販で7707個も販売。全ては若手の一言から始まった

maezawa20180530
 

何事も意思決定が遅い、全てにおいて手続き重視…。こうした官僚的風土はお役所の専売特許ではありません。企業も大きくなれば部門や役職が壁となり、動きが鈍くなりがちです。地域一番店づくりの専門家として活躍中の前沢しんじさんは自身の無料メルマガ『販促アイデアと経営活性化』の中で、とある精肉小売店チェーンの成功事例を上げ、コミュニケーションやスピード感の大切さを力説しています。

郵便局全国通販で7707個を売ってナンバーワンに!

郵便局の通販ってのがあるらしくて、そこに出してみたらどうでしょうか」

若手の社員が言ったひとことから始まりました。

私がコンサルとして参画していたある精肉小売店チェーンでは、営業部長と私が1週間に2~3回、定期的に雑談(実はこれがすべての営業の種になっていくのですが)をしていました。そこにはだれでも参加できるようにいつもドアをあけていました

ですからあるときは社長がきて長時間話をしていく、そこにパートさんが参加してなんかアイデアを言う。ベテランが来て座っていく、中堅が顔を出す、若手がなにかを持って訪ねてくる、遠くの店の店長がひょいと来る、退職した社員が訪ねてくる、などのまったくフリーな「コミュニケーションの場」でした。

実はここから多くの経営販促アイデアが生まれることになるのですが、今後おいおい紹介していきます。

その若手のひとこと「郵便局の全国通販」に私と部長が飛びついたのです。

O部長 「お、それおもろそうやな。いっぺん調べてみてくれ」

翌日にはさっそく彼がパンフレットをもってきました。

 「Oさん(営業部長)、これどうやろ? いけるんちゃう?」

O部長はパンフレットをしばらく凝視して言いました。

「やってみよう。外商部作らなあかんな」

即答どころか彼はそれに本格的に取り組むための組織作りまで考えていたのです。

僕と彼は30年の苦楽を共にしてきた阿吽の呼吸があって、それぞれが提案したことは基本的に「すべてOK」というものでした。

その後1ヶ月もたたないうちに外商部が設立されました。陣容は、人員2名。売上げ予算月400万。そしてチーフには言い出しっぺの若手社員O君! 彼は牧場勤務からいきなり外商部チーフになった、というかさせられた! わけです。

もちろん組織ですから、社長の承認や、人員の配置転換に伴うさまざまな事務手続きなどの要件はありますが、その会社は柔軟且つスピードがモットーでした。

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