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美人東大タレントが伝授。夏休みの「帰省中」も集中できる勉強法

夏休みも8月に入りましたが、長期休暇のとれる学生は様々な経験ができるチャンスです。特に受験生はどんな環境で、いかに効率良く学習したかで結果が大きく変わってくる重要な時期ですよね。メルマガ『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』の著者で東大タレントの木村美紀さんは、最近自身が編み出した短期集中に最適な「スクショ勉強法」を公開。さらに、自身の家庭教育の中でつちかった「2つのパターンの暗記・集中法」を惜しみなく紹介しています。

夏休みの旅行や帰省中にふさわしい勉強スタイルとは?

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。

夏休みといえば、旅行や帰省など遠くへ出かける絶好の機会ですね。実家へ帰省する機会がある人もいることでしょう。特にお盆休みなどは帰省する人が多く、新幹線や飛行機などが込み合いますよね。お子さん連れのご家族もよく見かけます。

海外旅行などに行く場合は、観光名所をめぐったり、ホテルを楽しんだり、やりたいこと、その場でしかできないことがたくさんあって、1日のスケジュールがびっしりつまりますよね。

でも、帰省する場合は、我が家では、どこかに出かけるというよりは、親戚が集まって家でゆっくりすることが多いので、時間に余裕がある過ごし方をしていました。

だから、夏休みの帰省中は、意外と勉強できる時間が多かったのです。祖父母や親戚が集まっているので、「最近は、どんな勉強をしているの~?がんばっているね!」と、よく話しかけにきてくれたものです。

子どもたちが勉強している姿を見せることも、大人たちは成長の証として楽しみにしてくれていたようで、子ども心ながらに勉強をはりきっていたのを思い出します。

大人からみると、こんな気持ち。

「赤ちゃんの頃はバブバブ言いながらヨチヨチしていたのに、気付けばいつのまにか背も伸びて大きくなって、九九ができるようになって、割り算ができるようになって、方程式が解けるようになって・・・感動!」

「何年か前までは、大人たちが勉強を教えていたのに、気付いたら大人たちもさっぱり分からないような、専門的で難しいことを勉強していて…すごい!」

離れて暮らしていると、会える機会といえば、主に夏休みとお正月の年2回。普段会えないぶん、久しぶりに会ったら、すくすく育っていて、大人たちは、子供たちの成長を見られるのが嬉しかったみたいです。

そして、その大人たちの気持ちにこたえるかのように、私が子どもながらに内心思っていたこととして、「ひと回り成長した姿を見てほしいな」という気持ちもありました。

夏休みは、大人にとっても子どもにとっても、貴重な機会。勉強でも、スポーツでも、語学でも、習い事でも、なんでも、子どもの好きなことを大人たちに見せてあげられたらいいですね。

私の場合は、好きなことが勉強や体を動かすことだったので、夏休みには、勉強を教えてもらったり、一緒に公園で遊んだり、釣りに行ったり、畑で野菜を収穫したりと、のびのび過ごしていました。

夏休み中、自由な時間があったら大好きな勉強もしたい!と思うタイプの子どもだったので、夏休み中に全く勉強をしなかったことはなかったような気がします。

だから、帰省などで遠くに出かける時に気になるのが、勉強道具は何を持っていけばいいか?ということでした。

何泊もするお出かけの場合、ただでさえ洋服や日用品などで荷物がかさばる上に、参考書までを持っていくと、リュックサックがぱんぱんになって、重い荷物を運ぶのは体に負担がくるし、移動するだけで大変でした。

だから、なるべく荷物は減らしたい。でも、何日間も家をあけるとなると、何も勉強道具がないと不安で落ち着かない。もし時間があいていたら、何かやるものを持っていないと暇で困ってしまうし。

そんなふうに、荷物の軽さをとるか、勉強道具がある安心感をとるか、どちらを優先しようかな~と、バランスをよく考えたものです。どの参考書を持っていけばいいのか、工夫したいところですね。

何をもっていけばいいか、何をしたらいいか、夏休み中の勉強には、計画性が必要です。

そこで、今回のメルマガでは、「夏休みの旅行や帰省中にふさわしい勉強スタイルとは?!」について考えてみたいと思います。

私が実践していた、あるいはオススメしたい、夏休みの勉強スタイルについて、ご紹介します。

(1)スクショ勉強法

私が子どもの頃は、携帯電話もネットも今ほど発達していなくて、帰省中に勉強するには、重い参考書を何冊も持っていって、帰省先で参考書を開いて自習するのが通例でした。

しかし、これだけスマホやiPadなどのデジタル機器が進化して、勉強ツールが多様化してきた現代においては、文明の利器を活用しない手はありません。

オススメなのは、スマホやiPadのスクショ機能を利用した勉強です。私は最近、何か覚えたいものがあるとき、スクショを大活用しています。

スクショとは、スクリーンショットの略で、スマートフォンなどの画面を残して後から見たいときに、ボタンを押すだけで、画面がそのまま写真をとったように保存できます。

ネットで調べものをしたときに、その情報をわざわざノートにまとめるのは、ちょっと大変。文字をそのままコピーマシーンのように書き写すのは手間がかかるし、イラストは色や形など細部まで再現するように書き写すのは至難のわざ。

そんなときに、スクショしちゃえば、一瞬でノートにかわるデータが保存できます。書く時間が減らせて、時間の使い方の効率アップ

たしかに手を動かして書くことによって、記憶しやすくなるし、ノートでまとめれば一覧の全体像がぱっと分かりやすいというメリットはあります。

ただ私が思うのは、自分の手で書いてもスクショしても、結局は脳に残したもの勝ち。スクショでも、強烈なインパクトとともに情報をインプットすれば、手を動かして書いたのと同じくらい、あるいはそれを上回るくらいの記憶になる可能性はあるように感じています。

例えば、意味の分からない英単語をノートに単純作業で100回書き写した場合と、強烈な理由付けをもって意味を理解して英単語を一度で脳に刻んでスクショで残す場合と、どちらが1か月後に記憶が残っているでしょうか。おそらく後者ではないでしょうか。

ノートでも、スクショでも、繰り返し気軽に見かえすことができるので、反復学習にうってつけです。メリット・デメリットを天秤にかけながら、適した記憶法を選ぶのがよいかもしれません。

私は、記憶したい情報の種類によって、ケースバイケースで、自分の手を動かして書くのか、スクショするのか、選ぶようにしています。

自分の手を動かして書いた方が覚えやすい種類の情報というのは、例えば、漢字の書き問題や、数学や物理などの公式・計算問題です。こればっかりは、本番の筆記試験で出たときに、普段から手を動かして体で覚えていないと、すらすら本番で解けません。普段かく勉強は、本番の予行練習として大切。

一方、スクショした方が便利な種類の情報というのは、例えば、社会でも理科でもどんな科目でも、イラストで覚えたい情報。生物で出てくる人体のしくみなど、ビジュアルで理解した方が、本番でもその映像が頭に浮かんできて、問題が解きやすくなります。

最近、私がスクショして覚えたのは、クイズでよく出てくる、世界の国旗や、世界遺産の絵

スマホなら拡大縮小も自由自在なので、一枚はイラストのみの画像、もう一枚はそのイラストが何か分かるように言葉も含めた画像にして、違うトリミング範囲で2枚のスクショをとります。

画像フォルダを見返せば、指でシュッシュッと横に流していくだけで、とった画像が次々と出てくるので、単語帳かわりになります。一枚目のイラスト画像をみて、そのイラストが何をさすか答えを思い浮かべ、次の言葉つき画像をみて、答え合わせをする流れです。

このスクショ活用によって、あっというまに自分オリジナルの単語帳が完成!何度も何度もくりかえし使えるのが、いいところ。さらに、完全に覚えきったものに関しては、指一本で削除できるのも、いいところ。削除するのが不安な場合は、別のフォルダにうつしてもいいですね。

そうすれば、必要な情報だけが残って、うまく選別されて、自分がいつも間違える苦手なものだけがどんどん残っていって、自分にとってベストな単語帳が完成していきます。

どんな勉強をしていても、他の人は簡単に覚えられるのに、自分はどうしてもここが苦手だって思うところはあって、いつも間違えるポイントは同じだったりすることがあります。

同じ授業を受けても、同じだけ問題を解いても、そのあとの定着率や正解率は、個人差がどうしても出てきてしまいます。人によって、得意なジャンル、不得意なジャンルは違うからです。

だからこそ、自分の苦手ポイントだけを集めた情報集が、本番直前に見直す材料として最適だと思うのです。

スクショするだけで、自分の苦手ジャンルがぎゅっと簡単に凝縮できるなら、それを活用することによって、大幅に時間短縮できて、効率が上がります。

そして、もう一つの使い分けとしては、記憶したい情報が、短期記憶でいいのか、長期記憶がいいのかで、自分の手を動かして書くのかスクショするのか、選ぶようにしています。

例えば、試験本番まであと2~3日しかないという切羽詰まった状況では、スクショ大活用モードに突入します。試験直前だと、その時にちょっとでも目にしたり触れたりした情報が、頭のどこかに残っていて、本番でぱっと引き出せることがあるからです。

試験直前に、悠々とまとめノートなんて作っている時間はないし、ましてや、まとめノートを見返す時間すらもありません。結局ただノートを作ったという自己満足で終わってしまい、最大限のパフォーマンスを発揮できないのは、もったいない。

逆に、試験本番までまだあと何ヶ月もある状況では、後から何度も見返せるような、まとめノートを作って活用することがあります。

実際は、ノート1冊を使うことは少なくて、まとめファイルを1個つくって、好きな順番でファイリングしていきます。

しかも最近は、ノートに手書きすることも減って、パソコンのエクセルを活用してまとめる機会が増えました。パソコンだと、文字の入力が手書きより楽だし、文字がきれいで見栄えがいいし、あとから追加の情報を整理しやすいことがあるからです。

例えば、表にしてまとめたいときに、手書きだと順番が入れ替えられなくて、困った経験はありませんか。

「本当はこの列の下にもう一列つくって、そこに入れたい情報なのにな…書いた文字を消して、また書き直すのも面倒だし…」

「1枚のページに文字を追加で書き込みすぎて、新しい情報を書き込みたいのに、もうスペースがなくなってしまった…」

そういうノートの取り方をしていると、手書きノートを美しくまとめたい完璧主義なタイプだとしたらなおさら、なんだか気持ちがムズムズして、せっかく気持ちよく勢いにのっていた勉強の流れがプチストップしてしまうことも。

そんなわけもあって、パソコンでまとめた方が、ページの区切りも自由だし、行間のスペースも簡単に調整できるし、無限に情報を追加できるし、情報の整理に慣れているし、長期間にわたる勉強の場合はどんどん好きに情報を追加できるし、便利!

手書きノートか、まとめファイルか、パソコンでデータをまとめるか、個人によって好みがあると思うので、どれが最適かは個人によるでしょうし、あるいは、どれか1つに絞る必要もないので、状況によって使い分けて全部のスタイルをやるのもよいかと思います。

ただどのスタイルでも、繰り返し学習が効果的なのは、共通ではないでしょうか。試験まで半年あるとしたら、今やったことを半年後も覚えている保証はない。だから、何度もくりかえし見返して、体に定着させていくわけです。

半年もあったら、参考書10冊くらいは読破できるでしょう。半年後に、またさらに同じページ数を読み返すのは時間がかかって終わらないので、エッセンスのみを抽出して、まとめたものにおさめておけば、まとめたものをチェックすれば10冊読んだのと同じ状態に戻れます。

スクショだと、時間の系列にしたがって保存されていくし、それを整理すると時間もかかってしまうので、キーワードを一覧でぱっと思い出したいときなどは、自分の優先度でカテゴライズされているまとめファイルが便利だし、検索機能が使えるパソコンデータが効率的かもしれません。

スクショに比べて、まとめファイルやパソコンの方が、長期学習に向いているケースが多い印象です。

こんなふうに、状況に応じて、スクショ、まとめファイル、パソコンデータを使い分けると、勉強がはかどって、情報もすっきり整理できて、気持ちよく前に進めます。

スクショを活用した勉強法ならば、もう一つメリットがあります。なんといっても、持ち運びがラク!だという点です。

スマホあるいはiPadなどを持ってさえいれば、その中に大量のデータが入っているので、荷物が少なくてすみます。特に夏休みに出かける時などは、荷物が減るのはありがたい。

大量の参考書を持って行ったけれど、帰省先で団らんしていて、勉強する時間が思ったよりあまりとれなくて、結局1ページも開かずに終わった参考書もあったから、参考書を持ち運んだだけで重くて損した・・・なんてことありました。

帰省先に参考書を持って行ったことで満足してしまって、結局やる時間もなくて、気休めで終わってしまった経験。残ったのは、肩こりでした。

スクショ勉強法なら、そんな事態を防ぐことができますね。身も心も軽くスッキリしながら、ノリノリのやる気で、夏休みのチャンスにもどんどん勉強を進めていけたらいいですね。

(2)夏休み特訓合宿

学校で夏休みの宿題も出たり、塾の模試に向けて勉強したり、夏休みはやることがいっぱい! そんなときには、特訓合宿スタイルをとっていました。

「夏を制するものは、受験を制す!」と言われているように、夏休みの過ごし方でぐっと差が開きます

受験は、時間との勝負!はやく始めるにこしたことはなく、早いもの勝ちです。夏の山をのりきって、そこで勢いをつけることができれば、順調なペースで秋以降も勉強を進められそうです。

夏休みは、なんといっても自分が自由に使える時間が多い。まとまった範囲を勉強するには、絶好のチャンスです。

よく塾で夏休みの夏期講習があったり、泊りがけで特訓合宿を行ったり、いろんな過ごし方があることでしょう。私の場合は、帰省先で特訓合宿を行っていました。

小さい頃は、帰省先の部屋に特訓部屋が用意されていて、祖父母も家族もそろって勉強を応援してくれていました。

その特訓部屋は、冷房のおかげで涼しくて、机と椅子があって、静かで落ち着く空間でした。窓際に机があったので、カーテンをあけたら、お庭の景色を眺めることもでき、癒やされました。

特訓スタイルの勉強法は、集中力を使います。ある程度まとまった時間をとって、ぶっとおしで勉強し続けます。

自分で勉強時間を決めて、その特訓部屋に入ったら、簡単には出てこれません。ここまで終わらせるという目標を自分で決めて、それが終わったら、特訓部屋から出ることができます。

そして、目標を達成したら、ごほうびが待っています。ケーキなどのスイーツや、桃・メロン・スイカなどのフルーツまで、子どもの好きなものをごほうびに用意してくれました。祖父母が丁寧に桃の皮をむいてくれたこと、今でも忘れません。

そのごほうびが嬉しくて、その気持ちにこたえたくて、一生懸命に集中して、特訓部屋で勉強しました。

その特訓部屋では、1人きりでこもることもあれば、ときには祖父が家庭教師となって個人指導をしてくれることもありました。

年に2回しか会えない、大好きな祖父に、「できたね!よくやったね!」と喜んでほしくて、その笑顔が見たくて、その気持ちが原動力となって、がんばれました。

特訓部屋ですさまじい集中力を発揮できたのは、家族の愛のおかげだと思います。家族からの愛情を感じていたからこそ、自分も何か気持ちを返したくて、それが行動につながったように感じています。

これが、塾の自習室とはまた違った特性であって、年に2回しか帰ることができない帰省先であるという貴重さやそして大切な家族や親戚が見守ってついてくれているという安心感が、帰省先の特訓部屋ならではの独特の雰囲気を生み出しているのです。

高いお金を払わなくても、家を特訓部屋にすることもできます。大事なのは、気持ちをどうもっていくか。自分のためだけではなく、誰かのために何かをしたい。そう思えたときに、莫大なエネルギーが生まれるように思うのです。

私にとって、その特訓部屋はそういう場所でした。そう思えたのも、家族のサポートがあったおかげであり、家族には心から感謝しています。

特訓部屋というと、言葉の響きだけきくと、厳しくてつらそうですが、私にとっての特訓部屋は家族の力を感じられるありがたい場所でした。

力を発揮できる場所をみつけて、充実した夏休みを過ごせるといいですね。夏休みに向けて、計画してみてはいかがでしょうか。

image by: shutterstock.com

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