30年以上にわたる営業現場での経験を活かし、販促専門家として活躍中の前沢しんじさん。そんな前沢さんは自身の無料メルマガ『販促アイデアと経営活性化』の中で、売り場の最前線で活躍するスタッフとの会議こそ重要だと力説、その理由と実際に会議をしたことで得られた情報についても紹介しています。
女性会議で売れ筋情報を共有する
「現場の『立ち話』会議が、ホンネとナマの情報をググッと引き出す」でも書きましたが、何が売れているのかをいちばん知っているのは売り場の最前線でいる人です。それどころかお客様の生の会話や肌で感じる雰囲気とか、寄せられる要望や苦情など、いちばんお客様に近いのは経営者や幹部でなく売り場のスタッフです。
私が30年以上コンサルとしてかかわってきたある精肉チェーン店でもお客様といちばん接する女性の販売員の持つ情報の量と質は、なによりも販促のヒントとなりました。
さらにチェーン店ならではの特性として重要視しなければならないのが「各地域の店舗によるニーズの違い」でした。どこでも同じものが同じように売れるものではありません。あるお店では〇〇がよく出るが、違うお店では△△がいちばん売れるというふうに地域の特性があります。
また地域だけではなく店長の戦略というか「これを売り込む！」という姿勢が売れ筋をつくることも非常に多いのです。各店がそれぞれの情報を共有すれば「あの店ではこれが売れているらしい。うちでもやってみよう」という、新商品、新販促のきっかけになることも多いのです。それぞれの店では意外と他店の売れ筋情報を知らないものです。情報を交換して、取り入れて、やってみましょう。
具体的にこんな会議をした
私のコンサル先の精肉チェーン店では、定期的に「女性会議」を実施してそれぞれの店の売れ筋情報を共有しました。
● A店の販売員Ｔさんからの情報
- ステーキではヒレ、テンダー、ちびっこステーキがよく出る
- 焼肉ではグラム380円とグラム500～600円が売れ筋
- 焼肉を買う人は必ず塩タンを買っていく。こんなに売れるものかと思うくらいよく出る
- ホルモンでは最近、マメが売れる。もちろん、ミノと腸の人気は高い
- 牛うす切りではグラム350円～650円ゾーンが売れ筋
- そうざいでは豚の野菜巻とギョウザが売れ出した（弁当用にまとめて買っていく）
● B店の販売員Sさんからの情報
- ユッケとタタキが大人気
- サイコロステーキは当店のスター
- スライスではグラム600円のものがけっこう出る
- 焼肉ではハラミの人気が高い
● C店の販売員Mさんからの情報
- スライスではグラム600円（霜降りと赤身両方とも）がよく
売れる - 焼肉ではカルビグラム350、牛ロース・バラグラム500が売れ筋
- ユッケ、タタキはセールの時よく売れる
- 塩タンがよく売れる
● D店の販売員Mさんからの情報
- うちのメインはやはりスライス。使いものも含めてグラム500円～600円～800円のゾーン
- 焼肉はカルビグラム400円、あと500円～600円のゾーンがよく出る
- ホルモンは味付チャンポン、味付ホルモンが人気
- 手作りのハンバーグが名物商品として人気
（大）300円 （小）100円 - オリジナルの、ちくわカツもよく売れる
◆売れ筋情報だけでなく次の点でも情報交換する
- 最近の各店の売上げ状況について
- お客様の動き、意見、クレームなど
- 今売れているもの
- 今売れていないもの
- 最近よかったこと
- 反省すべきこと
◆さらにそれぞれが提案しあうことも
- こんなことしたら売れるんじゃないか？
- こんな商品を作ってみてはどうか？
応用編
会議だけでなく、FAXを利用して売れ筋情報を定期的に連絡しあうとか、または直接それぞれが電話で最新の販売情報、商品情報をやり取りするなどの方法もあります。チェーン店ならではの特性を生かさないと宝の持ちぐされになります
大事なこと
前号と同じことを繰り返します。とても大事なポイントなので。
- お客様のホンネとナマの情報こそが売上げを作っていく元になる。
- すべての答えは現場にある。机上にはない。
- ほんとの生きた情報は最前線の人から得よ
会議の改善は、経営の改善につながります。
いい会議してますか？
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