そして、今回。西日本豪雨では、岡山、広島、愛媛の3県の「福祉避難所」は46カ所で開設され、計253人が利用。熊本地震より増えたとはいえ、避難をあきらめ、在宅で生活している人も多いのでは? と懸念されています。
つまり、相当数の災害弱者が「孤立している可能性」があると指摘されているのです。
ところが、この大切なニュースを報じたのは一部の新聞のみ(毎日新聞)。私が知る限りテレビではあまり取り上げられなかった。
数年後に待ち受ける超高齢化社会と、いつ、どこで、災害が起きてもおかしくない災害大国であるにもかかわらず、です。
こういう時こそ、もっともっと大々的に報じる必要があるのに、残念です。本当に残念です。
介護の問題って「介護だけの問題」にしておいてはダメだと思うんです。
一般の人たちが「どうやって助けるか?」が大切で、普通の人たちでも介護ができるようにする。介護の専門家が一人いれば、すべての人たちがそのヘルプをできるくらい介護の知識と経験が国民全員にあればいいんじゃないかと。
介護といっても、身の回りのお掃除もあれば、食事を出す、話すということも介護だしトイレのタイミングやトイレに行きたがらない高齢者の促し方をみんなが「当たり前」に知ってるようにする。そんな「超高齢化社会対策ができてる国」にするにはどうしたらいいのか?
それを「今」議論する必要があると思うのです。
参考になるのが北海道の当別町です。
当別町では平成14年から地域福祉計画で「北海道医療大学との連携促進」が掲げられ、地域の大学・学生とともに地域福祉に取り組む方針が示されました。
学生たちが高齢者と触れ合い、ボランティアが日常的に高齢者を支える。そうすれば必然的に介護を経験できます。
また、高齢者自身もボランティアに参加するなど、地域のメンバーの一人として活動する。そこで暮らす全ての人たちが年齢や障害に関係なくつながる取り組みを進めているのです。
昔から「村祭りの多い地域は災害に強い」と言われてきましたが、これからは「介護」を軸に地域で繋がっていく地域が災害に強い地域になっていくと思います。
みなさんの町は? 市は? どうですか? みなさんのマンションはどうですか?
この機会にぜひ、確認してみてください。
image by: Shutterstock.com
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※『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2018年8月1日号)より一部抜粋