「サマータイム導入はコンピュータシステム的に難あり」は本当か

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政府が導入を検討しはじめた「サマータイム」。来年の新元号への切り替えと合わせてコンピューターシステムへの不安が懸念されていますが、「まったく問題ない」と突っぱねるのは、ITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さん。宮脇さんは自身の無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』で、「最大の障壁は日本人の習性」としてその理由を記しています。

【MAG2 NEWS編集部からお知らせ(2025年3月10日)】
本記事の引用元であるメールマガジン本文には「特定の番組名や出演者の固有名」を含む結びの文章が掲載されておりましたが、本記事の初出時点2018年8月10日から2025年2月26日まで、編集部の判断で一部を削除した状態で公開しておりました。
記事の一部削除は編集部の判断であり、引用元メールマガジンの著者である宮脇睦氏の論旨や意図するところではありませんでした。改めまして、本記事の結びの部分に編集部側が削除した部分を追記した形で本記事を更新いたします。
以下の内容を追記しました。

冒頭に述べたように、日の入り、夕暮れの変化で季節を楽しめる日本人である私は、サマータイムに懐疑的な立場です。しかし、コンピュータに問題は無いといったり、イベント化で対応できるといったりと、多少なりとも「肯定的」な立場の意見を述べるのはこんな理由があったからです。

いつも「観察」している「ワイドショー」で、言ったことの反対になる、いわゆる「逆神」的なタレントやコメンテーターが、見事に足並みを揃えてサマータイムに反対します。

おおむね彼らが反対する反対が正解です。

繰り返しになりますが、サマータイムに賛同しかねる立場ながらも、こうしたいつも正解の反対意見を述べるかの諸氏の発言を見るに、サマータイムを肯定的な立場から検討する必要があるのではないか。と、いわゆるひとつの「思考実験」です。

サマータイムを実施すべき理由を考えてみる

政府は東京五輪の開催にあわせて「サマータイム」の導入の検討に入りました。

サマータイムとは季節により大きく異なる日の出日の入りの時刻に、一定期間の時間をずらして揃えることで、日の当たる時間を有効活用しようとするものです。

合理的と言えば合理的ですが、日本人にはピンと来ないものではあります。というのは「日が昇るのが早くなった」や「日が落ちるのが早くなった」と、同じ朝や夕方でも異なる景色を楽しむ、それは四季を楽しむことであり、さらには不便すら面白がる日本人とは正反対にある発想だからです。

ここは深掘りしませんが、塀に囲まれた城塞国家のように、一歩外にでたら危険がいっぱいの海外で育まれた価値観と、夜鷹に襲われるぐらいの日本との違いかも知れません。

さて、サマータイムの導入の議論は、繰り返し現れては消えておりますが、その度に「懸念」されるのが、コンピュータシステムについてです。

果たして対応できるのか、社会は混乱しないか。

ハッキリ言って「アホ」と申し上げます。なぜか? だって私がプログラマーとして社会人になった平成元年から、ずっと議論されていたことだからです。

結論からいえば「大丈夫」。コンピュータシステムを知っていれば、さほど大騒ぎする事ではありません。むしろ、サマータイムを導入する最大の障壁は日本人の習性にあります。

これに触れる前に今回の「サマータイム」についての根本的な問題を指摘しておきます。

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