MAG2 NEWS MENU

自社のミスがネットで晒された時に取るべき「模範的対応」は?

食品などに必ず記載される一括表示。急性アレルギーを引き起こす添加物の報道もあるなかで、表示をチェックしてから商品を購入する人も少なくありません。今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では著者で食品安全のプロである河岸宏和さんが、自社製品の一括表示が間違っていた際の対応について詳しく紹介しています。

表示のクレームがあったら

あなたの工場の製品の一括表示等が間違っているとお客様から連絡があったときにどのように対応を行いますか? お客様が、スーパー、コンビニで商品を買われて、一括表示等に疑問を持つことがあるのです。特に、コチニールのアレルゲン問題の報道の後などでは、お客様が一括表示を詳しく見る事になります。

みなさんも、お土産屋さん、飛行場の売店などで商品の一括表示を見てください。小さなミス、大きなミスのある商品が多く見つける事ができると思います。私も、飛行場などの売店で商品を手に取ると、見る機会ごとに一品以上のミスのある商品を見つける事ができます。

多くは、一括表示の中の原材料表示が多い順に記載されていない事が目立ちます。トレハロース、加工デンプンなどが原材料扱いになったままの表示も見かけます。添加物表示も必ず使われているはずの添加物が表示されていないなどのミスも目立ちます。紅ショウガを使用しているのに、着色料表示が全く無い等の例もあります。

みなさんの工場の商品の一括表示が間違えているかもしれないと連絡が来たらどのように対応されますか? お客様は、商品を買われ、ミスを見つけ、電話、メール、手紙などで連絡をして来ます。少なくても、商品を買われたお客様なのです。お客様から連絡をいただいた時にはじめに出る言葉は「ありがとうございます」の感謝の言葉だと思うのです。表示のクレームに限らず、クレームの連絡をいただいた時にも始めに出る言葉は「連絡をいただきありがとうございます」の言葉から始まると思います。

一括表示の記載については、日本の法律の解釈は難しく、お客様と見解の異なる場合があると思います。その場合でも、一方的に「保健所の確認をもらっています」等といった返事では無く「貴重なご意見ありがとうございます。これからの表示の作成するときの参考にさせて頂きます」などと言った対応が必要だと思うのです。

実際に間違えていたらどうするか

お客様から連絡を頂いた商品の表示が法律上、問題があったとします。第一に、間違いのあった商品の製造している工場の管轄保健所に届け出る事をお勧めします。保健所の管轄では無い、表示の間違いの場合にも、まずは管轄の保健所への届けを行い、対応について相談されることをお勧めします。こういった、相談に乗ってもらうためにも、日常的に保健所の方とコミュニケーションをとっておくことが必要になるのです。

一括表示の誤字などと言った場合は、直ぐに商品を回収する必要は無いと思います。しかし、お客様の身体に影響が出る可能性が有る場合は商品の回収告知などが必要になります。保健所に相談するときは、お客様からの申し出があった事を必ず伝える事が必要です。

インターネット上に公表されたら

あなたの工場の商品が「美味しかった」と個人の方がブログ、ツイッター、フェイスブックなどで発言されたらどうされますか。あなたの工場の商品の一括表示が法律上間違えていると個人の方がブログ、ツイッター、フェイスブックなどで発言されたらどうされますか。

本来、対応は同じで無ければならないはずなのです。商品が美味しかったと発言された方に対してはお礼をいい、表示が違っていたと発言された方は、「営業妨害」と中傷する事はできないと思います。どちらの場合も、市場に出ている商品を買われたお客様の意見が公表されているだけなのです。

インターネットができる前は、口コミでした。「あの商品はすばらしい」、「あそこの工場の商品を食べたら下痢をした」どちらの口コミも戸を立てて防ぐことはできなかったはずです。口コミが一瞬で伝わるネットになったと思わなければならないのです。

何時、誰が買われて、商品について公表されてもいいような商品を作ることが大切なのです。

あなたの工場の商品の表示、再点検してみませんか。

image by: Shutterstock.com

河岸宏和(食品安全教育研究所 代表)この著者の記事一覧

“食の安全”に関する多数の書籍を執筆する著者に食品工場の現場から見た品質管理の方法など、工場に勤務する人には、必読の無料メルマガ。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 食品工場の工場長の仕事 』

【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け