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習近平に絶縁宣言。中国を潰し台湾を守る決意を固めたアメリカ

9月26日、トランプ大統領は国連安全保障理事会で「中国が米の中間選挙に干渉している」と習近平国家主席を名指しで非難し、友好的関係を撤回してしまいました。これを受け、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、米中貿易戦争開始からわずか1年間で急展開を迎えた米中関係が北朝鮮、台湾や尖閣諸島利用の覇権戦争へ発展する可能性を指摘するとともに、今後日本が取るべき対応について解説しています。

トランプ、「習近平はもう友達ではない!」

先日の「恋に落ちたトランプ大統領、意外な相手は???」では、トランプさんが、「金正恩と恋に落ちた!」と宣言しているという話をしました。去年は、「チビデブロケットマン!」と罵倒していたのに、すごい変化です。その一方で、「もう友達でない!と宣言された首脳がいますそう習近平さん。

【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合で、中国が11月の米中間選挙に干渉しようとしていると批判した。同日の記者会見では、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席との友好な関係は終わったかもしれないと言及した。
(AFP=時事 9月27日)

習近平との友好関係は終わったかもしれない。その理由は、中国がアメリカ中間選挙に干渉しようとしているから。

トランプ氏は自ら議長を務めた安保理会合で、中国による選挙干渉について「彼らは私やわれわれに勝ってほしくない。なぜなら、私が貿易面で中国に対決した初めての大統領だからだ」と発言した。
(同上)

中国は、選挙に干渉しようとしている。中国はトランプや共和党に勝ってほしくない。なぜなら、トランプは、米中貿易戦争をはじめたから。ありそうな話です。

トランプ氏は安保理会合後ニューヨークで開いた記者会見で、習氏について「彼はもう私の友人ではないかもしれない。だが、おそらく私のことを尊敬していると思う」と語った。
(同上)

習近平は「もう私の友人ではないかも」だそうです。

中国の、特にトップは、「戦争は詭道なり」の孫子教徒なので、どこまでがホントかウソかわかりにくいです。なんといってもウソを全肯定している。「いや、戦争中だけの話しでしょ?」と思いますか?ところが彼らにとって、「政治は武器を使わない戦争」「戦争は武器を使う政治」ですから、意識の中では、常に「戦争中」であり、いつも「詭道」(=うそ)が肯定されている。

というわけで、トランプは、去年習近平に会った後、彼のことが「大好きだ!」と公言するようになった。しかし、1年がすぎようやくだまされていた!」と気がついたのでしょう。

ペンスさんも、チャイナバッシングを開始

トランプさんだけではありません。ペンスさんも、チャイナバッシングをはじめました。

ペンス氏が中国演説 尖閣は「日本の施政権」

産経新聞 10/5(金)1:52配信

 

【ワシントン=黒瀬悦成】ペンス米副大統領は4日、ワシントンの政策研究機関でトランプ政権の中国政策に関し演説した。ペンス氏は、「中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺で恒常的に監視活動をしている」と指摘した上で「尖閣諸島は日本の施政権下にある」と強調し、東シナ海や南シナ海で覇権的な進出姿勢を強める中国に対抗していく姿勢を打ち出した。

尖閣諸島は日本の施政権下にある」そうです。アメリカは「領土問題には干渉しない」ので、「尖閣は日本領だ」とはいってくれないのですね。それでも、こんな副大統領の言葉が中国に対する抑止力になります。

中国が尖閣を侵略しようとしたとき、真っ先に考えるのは、「アメリカはどうでるのだろう?」ということ。「日本を助ける可能性が高い」と中国の指導層が信じていれば、なかなか動けないでしょう(それでも、常に油断は禁物です)。

ペンス氏は、中国が11月の米中間選挙で共和党の勝敗を左右する重要州で干渉を画策していると強調。対中貿易の不均衡是正に向けて中国製品に制裁関税をかける政策を推進するトランプ大統領が1期で退任するのを画策した動きであるとの認識を示し、「中国は米国の内政に干渉しようと、これまでにないほどの力を行使している」と訴えた。
(同上)

ペンスさんも「中国の選挙干渉」について語りました。さらに、

台湾情勢に関しては「一つの中国」原則を踏まえた政策を今後も尊重するとしつつ、「台湾で確立された民主体制は中国の国民により良い道筋を示している」と指摘。米国として台湾の体制を擁護していく姿勢を打ち出した。
(同上)>

台湾を守る方向にかわってきました

2匹の虎の戦いを眺める立場の日本

いままでの流れをみると

ということですね。「米中が覇権戦争をする」というのは、どうなのでしょうか?

一つは、「経済的悪影響が懸念されます。その一方で、米中が戦うと、日本への風当たりは弱まるので、悪くありません。中国では、「2匹のトラの戦いを山頂で眺めるのが、「最良のポジション」とされている。実際、中国は、米ソ冷戦(2匹のトラの戦い)の中で、日米から無尽蔵の支援を受けて成長してきた。

日本は現在いい位置」にいますが、一つだけ注意点があります。2匹のトラが、「おい!お前はどっちの味方なんだ!?」と迫ることがある。その時、日本は、一瞬も考えることなく、「もちろん、アメリカタイガーの味方でございます!」といわなければならない。これ、日本政府高官は、毎日練習していただきたいと思います。

image by: shutterstock

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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