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なぜ、デキる接客員は商品の魅力をあえて削ぎ落として伝えるのか

自社の商品の魅力を相手に伝える際、ほとんどの人はその長所すべてを伝えようとしがちです。しかし、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが提案するのは、「あえて情報を削ぎ落とす」こと。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、情報を取捨選択して伝えることで得られるメリットを紹介しています。

情報を削ぎ落とす

実は最近、いろんな理由がありまして、デザインについて勉強しています(といっても、独学ですが)。デザインと一口に言っても、様々な種類がありますが、私が興味を持っているのは、編集デザインと呼ばれるようなデザインです。チラシのような印刷物なんかのデザインですね。もともと、センスなどは皆無の人間なので、いろんな書籍や何やらを参考にしながら、学んでいる感じです。

そういったことについて、書籍などを漁っていると、必ずと言っていいほど言われていることがあると気づきました。余白をうまく使え、ということです。チラシや、雑誌の誌面などを見ると、物によっては、紙面全体に情報が載っているのではなく、ところどころに余白が上手に使われていることがあります。そうすることで、伝えたい情報が明確になって読み手に伝わるからだそうです。

確かにその通りで、例えば紙面全体の至る所に、文章が書かれていたり、写真が載っていると、どれに目をやれば良いかがわからないものでも、余白が上手に使われていると、「ここに欲しい情報があるんだな」と、一目でわかり、入ってくるんですね。とても重要なポイントなわけです。

しかし、余白を上手に使おうと思うならば、絶対にやるべきことがあります。「情報を削ぎ落とす必要があるのです。1枚の紙で、伝えたいことを伝えようと思ったら、それなりに多くの情報を載せたくなります。ですが、情報量を増やせば増やすほど、相手には伝わりにくくなり、せっかくの情報を見てもらえない可能性も高まっていきます。そうならないために、余白を作るのですが、そのためには、多くの情報から、必要な情報だけを残していく、削ぎ落とす作業がいるのです。そうして、本当に伝えるべき情報を残し、読み手に伝えることができます。

「デザインの話ばかりで何だ?」と思われているかもしれませんが、これは、接客にも通じる話ではないでしょうか?何かの商品を販売しようと、お客様に説明する時、普通、販売員は、その商品の情報全てを必死になって伝えたがります。伝えたいことがたくさんあるので、こうなるのは仕方のないことかもしれません。

でも、それだけ多くの情報を、お客様に伝えても、先ほどの誌面と同じで、受け手であるお客様は、何が大事な情報なのかがよくわからなくなります。1~10まで情報があるとして、全てを伝えても、お客様の覚えられる容量にも限界がありますし、聞いていて疲れてきてしまうかもしれません。やたらと多くの情報を伝えることで、逆にお客様は混乱してしまう可能性だってあるわけです。だから、接客で伝える情報にも、ある程度余白を作る意識がいります。

1~10までの中で、削ぎ落とせる情報を減らしていくと、本当にお客様に伝えるべき情報は、5と6だけになるかもしれません。でも、全てを伝えるよりは、5と6の2つだけになれば、お客様はとても理解しやすくなりますよね。必要な情報を、必要なだけ受け取ってもらうことができるということです。それが結果として、「説明がわかりやすい」「必要なものが何かよくわかる」といった、接客を受けた感想につながっていきます。

商品には、語れるポイントはいくらでもあります。しかし、そのポイント全てが目の前のお客様にとって必要な情報とは限りません。ですから、全てを伝えるよりも、不必要な情報は削ぎ落として簡潔に伝えた方が良い場合も大いにあり得ます。その、削ぎ落とすべき情報は何か、反対に、必ずお客様に伝えるべき情報は何か。ここを意識して、お客様へ説明や提案ができると、とてもお客様が理解をしやすくなります。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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