売上が立たないとお悩みの方、それはもしかしたら「売り込み方」に問題があるのかもしれません。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、売上向上につながる「客単価を上げるための提案法」をレクチャーしています。
客単価を上げるための提案の仕方
商売で売上を上げるためには、客数を増やすか、客単価を上げるか、またはそのどちらともを伸ばすかしかありません。購買客数が増えれば増えるほど、売上は上がりますし、一人当たりの客単価が上がるほど、売上は上がります。このどちらかを伸ばしていくことについては、販売員なら、誰がも考えているでしょう。
ただ、客数を増やすというのは、そうそう簡単な話ではありません。いろんな要素が絡んでくることですし、今すぐに客数を増やそうと思っても、時間はかかってしまうことがほとんどです。
ですが、客単価は少し違います。接客がきちんとできるお店であれば、客単価を上げることは、すぐにでもできる可能性があるのです。そのためには、客単価を上げるための提案の仕方を知っておき、実践できることが求められます。
では、一体どうすれば良いのか。そのための方法は、いくつもあるわけですが、シンプルなやり方として、提案の仕方を変えることが挙げられます。どう変えるかというと、「買いますか?買いませんか?」という提案の仕方から、「どれを買いますか?」という提案にすることです。この提案の仕方だけで、客単価は変わってきます。
客単価を上げるためには、まず、1点売りではなく、複数点買いを目指す必要がありますよね。扱っている中でも、高単価商品を売りにいくのであれば、1点でも良いかもしれませんが、そうでない普通の商品ならば、いくつか一緒に買ってもらうことで、客単価はアップしていきます。しかし、客単価の上がらない多くの販売員の提案は、「この商品を買いますか?買いませんか?」という提案に終わってしまっていることがほとんどなのです。
例えば、わかりやすく洋服の販売だとしましょう。この時期なら、ニットが欲しいと思っているお客様が来店されるかもしれません。そのお客様に、ニットを提案していくわけですが、延々と、そのニットの提案だけが続くのです。
「このニットはこうやって着られますよ」
「こういう素材で、こういう機能なんですよ」
お客様にニットの良さをアピールするのですが、この時点では、「ニットを買いますか?買いませんか?」から抜け出せてはいないんですね。
客単価を上げられる販売員の場合は、そうではなく、ニットの良さは説明しつつも、他のアイテムとの着こなし方を提案していきます。簡単に言えば、コーディネートをさっさとお見せして、着方をイメージしてもらうわけです。そうすると、ニットの良さも引き立ちながら、他の商品の提示も一緒にできます。
すると、お客様に対しては、「買いますか?どうしますか?」ではなくて、「このコーディネートからどれを買いますか?」という提案になっているということなんですね。これにより、0か1かという購買選択ではなくて、10のうちからいくつ買おうかなという購買選択にお客様の頭の中は切り替わることになります。
もちろん、見せ方や、提案の仕方、質問の仕方など、細かいテクニックはたくさんあるのですが、まずは、客単価を上げられる提案の仕方と、そうでない提案の仕方には、大きな違いがあるということを知る必要があります。
実はこれは、商品の数だけではなくて、価格差などでも同じような感覚で使っていくべき提案の仕方です(長くなるので、ここでは省きますが)。
まずは、ご自分の提案が、どちらの提案の仕方になっているかを確認してみましょう。「買いますか?買いませんか?」の提案になっているなら、客単価はなかなか上がっていきません。もしそうなら、どんなやり方に変えていくべきか。時間をかけても良いので、じっくり考えてみてください。
今日の質問です。
- あなたの提案の仕方は、どちらの提案になっていますか?
- 自分が買い物に行って、複数買ってしまうような時は、どんな提案をされていましたか?
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