ビジネスの現場で重要な役割を果たす「ふりかえり」。多くの企業が取り入れているこのふりかえりですが、ただ漫然と試みただけでは時間の無駄というものです。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自身も実践しているという「質の高いふりかえり」をする方法を記しています。
ふりかえりで実感するために
自分自身が成長できているかどうか。これを、自分が理解できているかどうかは、とても重要なことです。自分が成長している部分がどこかがわからないと、いつまでも同じところで止まってしまう可能性がありますし、一向に成長が実感できずに、自信が生まれなくなってしまいます。
ですから、過去の自分と比べて、どこがどう成長をしたかは、必ずあるタイミングでふりかえりをしていかなければいけません。そのタイミングは、ご自身のタイミングで良いと思います。毎年、年が終わる度にふりかえってみるでもいいし、3ヶ月ごととか、1ヶ月ごととか、細かく刻んでいくのも良いでしょう。
大事なのは、それよりも、質の高いふりかえりをきちんとしていくこと。何となく、「できるようになった気がするなぁ」ではなくて、もっと正確に、明確に、できるやできないを把握していく必要があります。そのためには、良いふりかえりができる方法を確立しておくことが大切です。
ふりかえりに関しては、実はいろんなフレームワークがあります。よく聞くものでは、KPT法とか、PDCAなどがありますよね。これらは、どれもこれも一長一短あって、ぶっちゃけ私は、どれを使おうが、自分に合うなら何でも良いと思っています。
ただ、個人的に質の高いふりかえりをする中で、欠かせないものが2つあります。「時間軸」と「数字」です。この2つを、ふりかえりの中に持ち込むことで、より明確なふりかえりができると思います。私自身、ふりかえりをする際には、必ずこのつを意識してふりかえっています。
「時間軸」は、シンプルなものです。
ふりかえりはあくまでも、何かの基準があってやるものですから、その基準を定めなければいけません。ですから、そもそもの取り組みや学びを始めたタイミングがいつか(過去)、そして、ふりかえりをするタイミングがいつか(現在)、の時間軸をしっかり把握する必要があります。
これが曖昧になってしまって、「あれ? できなかったのっていつだったっけ?」となってしまうと、成長しているかどうかを実感しにくくなってしまいます。特に、
- できなかった時はいつか
- できるようになった時はいつか
- 今現在はどうか
は把握しておきたいところです。
そこに加えて、「数字」のふりかえりをします。成長できたかどうかを測るために、過去の数字と現在の数字を見比べることで、曖昧ではない、明確な結果が見えます。こちらも、
- できなかった時の数字はどうだったか
- できるようになった時の数字はどうだったか
- 今現在の数字はどうなっているか
を把握しておくことで、成果が実感しやすくなります。例えば、接客のファーストアプローチの話であれば、
- できなかった時
→ファーストアプローチの成功率40% - できるようになった時(目標突破時)
→ファーストアプローチの成功率60% - 今現在
→ファーストアプローチの成功率70%
みたいなことをふりかえりで確認します。たとえ目標を突破できていなくても、当初できなかった時と比べて見ることで、少しでも上がっていれば、成長できているし、下がっていれば、成長ができなかったので、次にやるべきことが何かを探すきっかけになります。数字は、いろんな見方ができるものなので、自分がふりかえりたい項目について、必要な数字をすくい上げることが求められますね。
これら2つの項目に加えて、それぞれで、
- できるようになったから、次は何を目指すか
- できなかったことに関して、何をすればできるようになるか
- 今はまだできていないけど、以前と比べてできるようになった部分はどこか
など、細かくふりかえりをしていくことができると、より質の高いふりかえりができます。正しく成長を実感するためにも、しっかりふりかえって、ご自身の成長度合いを確かめていきましょう。
今日の質問です。
- ここ最近で、何か目標を立てたことはありますか?
- その目標について、質の高いふりかえりをするとしたら、どんなやり方ができますか?
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