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するってぇと何かい?落語のまくらが接客に役に立つってのかい?

「仕事のヒントを与えてくれるのは、なにもその道の専門の人とは限らず、門外漢が欲しい答えをくれることもある」とするのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。そんな坂本さん、落語を見て接客のヒントを得ることができたというのですが、一体どのように?今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』に詳しく記してくださっています。

門外漢から学ぶ

近年は、空前の落語ブームだと言われています。落語会の件数は軒並み増えていて、20・30代の若い世代の人たちが、寄席に足を運ぶ。メディアでも、『昭和元禄落語心中』という漫画がアニメ化され人気を博し、昨年末にはドラマ化もされるなどしています。

実は落語好きな私も(詳しくはありませんが)浅草の正月寄席に足を運んだのですが、若い人もたくさんいて、ものすごい満員状態で、本当に凄い状況でした。ちなみに、春風亭一之輔さんの『初天神』が面白すぎて、泣くほど初笑いしてきました。

さて、先ほどもお伝えしたように、私は落語をはじめとした、お笑いや演芸がとても好きです。ただ、今のように好きになり、見たり聞いたりするようになったのは、接客という仕事を本気で始めてからでした。というのも、そこに、お客様との会話を盛り上げるヒントを感じ出したからです。

例えば、落語でいうと、噺を始める前に、「まくら」と呼ばれる部分があります。これは、会場の雰囲気を作るための、いわゆるアイスブレイク的な役割もありつつ、実はオチにつながる関係性を持たせているような演目の導入部分のことを言います。これが、上手な落語家さんになると、話が面白い上に、後々の話にものすごくスムーズにつながっていくわけです。

こういう部分をよくよく聴きながら、どうやって話を盛り上げていくのかを考えていると、実際の接客の時にも、「ここでこの話をしておいて後半でそれを解決するとこうなる」みたいなイメージが出来てきて、接客に活用することができるのです。

漫才の始まりなんかでも同じようなことがありますが、アレも同様に、会話をどう盛り上げていくかや、伝えたいことをより適切に伝えるために、どうすればいいかを考える材料になります。接客とお笑い演芸という、一見まったく関係のない世界のように見えることでも実はどこかでヒントを得られる部分があるということです。実際、今は、落語の技術をプレゼンに活かすためのビジネスマン向け落語スクールなどもあるくらいですから。

こうして見ていくと、お笑いに限らず、仕事に活かせるようなものは、どんなところからでも得られるように思います。

よく、その事柄について専門ではない人のことを、「門外漢」と呼びますよね。全然仕事に関係がないとか、その仕事の経験なんて一度もないような人は、みんなそうなります。ですが、そういう人が持っている能力や技術にも必ず何かしらのヒントは眠っているはずなんです。

事務員からすれば、営業の仕事は門外漢ですから、仕事自体は、よくわからないかもしれません。だから、営業の仕事のやり方を事務の人に聞いても、なかなか上手い答えは見つからないでしょう。ですが、よくよく仕事を見ていくと、営業マンはめちゃくちゃ資料作りをするので事務員の資料作りの仕方がものすごく参考になるかもしれません。「これって、どうやって資料作ればいいんですか?」と、事務員の人に聞いてみれば、一瞬で簡単な解決法が見つかることだってあるのです。

販売の仕事だって同じです。お客様をお見送りする時に、同じ販売業の仕事ぶりを参考にすることはもちろん大切なことです。しかし意外と、関係なさそうに見える、芸能人のマネージャーをしている人や、高級ホテルのドアマンの仕事ぶりが、参考になることだってあります。お辞儀の仕方ひとつ、荷物の持ち方ひとつに、ヒントを得られるかもしれないのです。

自分が今、欲しいと思っている技術や能力にはどんなものがあるでしょうか。それを解決してくれるヒントを持っているのは、何も同じ業界の人だけとは限りません。それをいかに見つけるかも、また、よりレベルの高い接客をするためには大切な能力ではないかと思います。

今日の質問です。

image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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