今や「顧客満足」など当たり前、これからのビジネスには「顧客感動」が大事である―。そんな話に大きな共感を覚えたという、無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを! 』の著者・石丸智信さん。石丸さんは今回の記事で「感謝」について考察、普段の生活において感謝を表すことのできる「三つのレベル」を紹介しています。
当たり前だと思っているの物事に感謝しているだろうか
私自身、業務として、個人として、これまで多くの研修、講演会などを聴講する機会がありました。その中で、ご縁の大切さなどを教えていただくなど、多くのいい影響を与えていただいた先生がいます。
その先生は、「感動・感謝」を大切にされていて、例えば、ビジネスにおいてお客様を満足させる「顧客満足」が大事だと言われていますが、これからは、お客様が満足する、お客様を満足させるだけでは不十分で、お客様が感動する「顧客感動」が大事であるとお話ししていました。
この先生の講義などに触発されたこともあって、私自身も「感動・感謝」を大切にしたいと思っています。本号では、「感謝のレベル」について考察していきたいと思います。
様々な分野において、色々なレベルがある中で、感謝にもレベルがあり、3つのレベルに分けることができる、と聴いたことがあります。
その第一のレベルは、日常では起こり得ないぐらい珍しく起こる嬉しいことやありがたいことなどに対して「ありがとう」と感謝するレベルです。このレベルは、イメージしやすいですし、私たちも行っているレベルと言えるのではないでしょうか。
例えば、誕生日などの何らかの記念日にプレゼントをもらうととても嬉しいですし、そのプレゼントを贈ってくれた人に対して、「ありがとう」と感謝しますね。また、先日行われた箱根駅伝でも、仲間からの応援、沿道の多くの人からの応援などに対して、選手はきっと、感謝していることでしょう。
私たちは、このような日常的にはあまり起こらないことに対しては感謝しやすく、「ありがとう」と感謝を表すことが多いのではないでしょうか。
前のレベルを仮に3級レベルだとすると、次のレベルは、2級レベルと言えます。感謝の2級レベルは、日常的なことであり、自分の中では当然のことと思っていることに対して「ありがとう」と感謝することができるレベルです。
このレベルは、簡単そうに見えてなかなか難しいように感じます。自分の中では、日常的に起こっていることだと、それが当たり前だと思ってしまって、何気なく流してしまいがちではないでしょうか。
例えば、相手からの挨拶に対して自然と感謝することができるでしょうか。挨拶は、家族の中や職場の中などで日常的に行われていますね。毎日のように挨拶を交わしているので、それが普通のことであり、特別なことではないので、いちいち感謝することはないに等しいではないでしょうか。
そこで、感謝の2級レベルに近づくために、自分の中で「普通だ、当たり前だ」と思っている物事に対して、「実は、恵まれていることなんだ」「貴重なことだ」などと捉えてみるとどうでしょうか。自分の中で当然なこと、当たり前のことが、特別なことのように映り、感謝することができるのではないでしょうか。
自分の挨拶に対して相手が返してくれることや、相手が先に挨拶してくれることは、「実は恵まれていることだ」と捉えると、毎日のように行う挨拶でも、ありがたいと感謝することができて、感謝の2級レベルに近づくことができるのではないでしょうか。
最後のレベルである1級レベルは、困難なことや苦労を伴うことなどマイナスのことに対して「ありがとう」と感謝することができるレベルです。このレベルは、直感的に難しいことなのではないかと思いますね。自分にとってマイナスなことなのに、その物事に対して、感謝しようとはなかなか思えないですね。
例えば、大病を患ったり、大怪我を負ったりすると体力的にも、精神的にもダメージを受けますので、大病などに対して「ありがとう」と感謝することなんてできないですね。
一方で、大病をしたことを境に今まで見えていなかったことが見えてきて、病に対して感謝しているというお話を聴くこともあります。大病など自分にとってマイナスな物事だと思われたことが、時が過ぎて振り返ってみると、自分にとって大切な体験、経験だったと感じたり、気づいたりすることがあるのではないでしょうか。
そして、こういった体験、経験を重ねていくことで、自分にとってマイナスな物事であっても感謝することができるようになり、感謝の1級レベルに近づくことができるのでしょうね。
ここまで、感謝の3つのレベルを、仮に、1級、2級、3級として考察してきました。私自身も振り返ってみると、感謝することを忘れている時には、やはり、その人、物事などに対して傲慢になっているように思います。
本年も、弊誌をお読みいただけることに感謝して、精進していきたいと思います。
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