北方領土を返還する気ゼロ。それでも日露関係を深めるべき理由

 

「大戦略」を理解している安倍総理

皆さんご存知のように、中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!!!」と宣言しています。そして、もはやニュースにならないほど領海侵犯を繰り返している。それどころか、ロシア、韓国に、「反日統一共同戦線をつくり、日本を壊滅させようぜ!」とオファーしている。全国民必読証拠はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

そう、日本第1の脅威は北朝鮮でもロシアでも韓国でもなく間違いなく中国なのです。

なぜ、日本は、領土問題で妥協しないロシアと仲良くしなければならないのか?しょっちゅう書いているように、「中国とロシアが組んだら日本に勝ち目はないから」です。安倍総理もこの点、十分理解されているようです。産経新聞1月23日付を見てみましょう。

首相が、平和条約締結を目指すのは、中長期的に見て安全保障と経済の両面でロシアとの関係強化が不可欠だと考えているからだ。

 

「中露が緊密に手を組む事態だけは避けなければならない」

 

首相は周囲にこう語った。日本の安全保障は将来も日米同盟が基軸となるが、米国の実力は相対的に低下しており、中露が連携を強めれば太刀打ちできなくなるからだ。

中露が緊密に手を組む事態だけは避けなければならない

これは、まさにRPEが100万回書きつづけてきたことです。RPEでは、ロシアが無礼で、日本国民が怒っていた時も、変わらず、同じことをいいつづけてきました。総理の口からこのような言葉を聞けるとは、本当にありがたいことです。

しかも中国はこの30年間で国防費を51倍に増強し、東シナ海や南シナ海で権益膨張を続けている。首相がいかに習近平国家主席ら中国指導部と友好を演出しようと、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をあきらめることはあるまい。
(同上)

尖閣諸島をあきらめることはあるまい」とあります。「沖縄をあきらめることはあるまい」というのもつけ加えたいところです。

ならばせめて北方の脅威は取り除き、極東地域でロシアと安全保障でも協力すべきではないか。首相のこの判断は筋が通っており、平和条約締結はその大きな推進力となり得る。
(同上)

ここは、微妙なところです。ロシア的にも、「平和条約締結は望むところ。しかし、戦争で強奪した土地は、返したくない。だから、本音では4島返還の話も2島返還の話すら聞きたくない

ロシアの「領土観」は「戦争のたびに領土は変わる。ロシア(ソ連)は戦争に勝ったのだから、4島がロシア領になるのは当然だ」というもの。だから、ロシア人の耳には、安倍総理の平和条約を締結せねば」という言葉は、「平和条約」と聞こえず、「島返せ!」とだけ聞こえる。この辺は、難しいところです。

では、プーチンは、なぜ安倍さんと25回も会っているのか?要は、金儲けがしたいのです。クリミア併合で、日米欧は、ロシアに制裁している。それで経済が苦しい。だから、金儲けの話がしたい。それで私は、「金儲け7平和条約3ぐらいがちょうどいい」と書きました。

安倍総理の記者発表にこんな言葉がありました。

「経済関係をより緊密にし、観光はもとより、地方交流や大学交流などさまざまな交流を増やし、この目標をともに達成していきたいと思います。両国の議員、議会間でも活発な交流が行われています。昨年7月には伊達忠一参院議長が訪露し、史上初めてロシア上院で演説を行いました。12月には両国の友好議員連盟の間でさらなる協力に向けた了解覚書が署名されました。日露関係発展のための重要な柱として本年も議員・議会間交流を後押ししていきます」

「8項目の協力プランを提案してから2年半以上がたち、すでに170以上のプロジェクトが生み出されています。先月には日本企業によるハバロフスク空港への経営参画、ガスプロムによるサムライ債の発行が決まりました。日露の企業がお互いに手を携えるビジネスに前向きであることを歓迎します」

ロシアが望んでいるのは、まさにこれです。だから、日本も、「金儲け中心でいくべきなのです。こう書くと日本では、「金だけ奪われて」という反応がきます。「金儲け」というのは、ロシアだけに儲けさせろという話ではありません。日本もロシアも儲かる話をしましょうという意味です。

繰り返しますが、日ロ関係が良好であることは、「対中国で大事なのです。

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