北方領土を返還する気ゼロ。それでも日露関係を深めるべき理由

kitano20190125
 

1月22日、安倍首相とプーチン大統領の会談が行われましたが、日本国内では「具体的成果が乏しかった」と報じられています。そんな報道に異を唱えるのは、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、日本との間に領土問題が存在する国々に「日ロ関係の存在」を示した事が大きな成果である根拠を、周辺各国と友好関係維持が重要な「日本の戦略的立場」から解説しています。

日ロ首脳会談、安倍総理は「大戦略」を理解している

皆さんご存知かと思いますが、安倍総理とプーチンさんが22日、クレムリンで会談しました。結果はどうだったのでしょうか?

平和条約交渉、本格化を確認…日露首脳会談

読売新聞 1/23(水)1:28配信

 

【モスクワ=梁田真樹子、畑武尊】安倍首相とロシアのプーチン大統領は22日午後(日本時間22日夜)、モスクワのクレムリン(大統領府)で会談し、日露の平和条約交渉の本格化を確認した。条約締結に向けた関係強化の一環として、今後数年で両国の貿易額を現在の1.5倍、少なくとも300億ドルに引き上げることで一致した。

日露の平和条約交渉の本格化を確認した」そうです。そのためには、関係強化が必要だから貿易額を増やすと。

「具体的な話」が好きな日本国民の大半は、「なんじゃそりゃ?要するに、何も具体的な成果はないってことだな」と思うでしょう。表面的にはその通りです。しかし、日ロ関係はこれでいいのです。なぜ?

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