(2)制約
家庭の事情による制約は、そのまま制約として課してしまってOKです。費用面だけでなく、時間的な制約や送迎のマンパワーなども制約があって当然。
ヘンに無理をせず、
「このスクールはお金がかかりすぎるから、うちにはムリだな~」
「5歳児クラスは夜7時しかないのか!それじゃあ家に帰ってお風呂入ったら寝るのが10時近くなっちゃうな。こりゃダメだ」
「ここはちょうど良さそうだけど、ちょっと遠いな。毎週2回も平日に送ったりお迎えしたりは、パパとママにはできそうもないよ」
と伝えてあげましょう。
限られた資源(ヒト・カネ・時間)でいかにやりたいことを実現するかという課題は、社会では当たり前のこと。子どもに対して隠したり避けたりするべき理由はありません。
(3)機会提供
このお話をすると必ず受ける質問があります。
「子どもに興味があるかどうかは、どうすればわかるのですか?」
「一度やらせてみないと、興味があるかどうか分からないのでは?」
これに対する私の答えは、「まずは幅広く、いろいろなモノを見せて・触れさせてあげましょう」です。
ただしそれは、各種スクールなどの見学や体験レッスンではいけません。スクールなどの中には、子どもの興味を惹いたり意欲を引き出す優れた技術を持っている先生がいることがあります。それ自体は大変素晴らしく、ありがたいことなのですが、子どもの興味・適性を見たい時には判断を難しくしてしまいます。仮に子どもが興味を示したとしても、それが子ども自身の適性からなのか、先生の技術によるものなのかは、区別がつかないからです(見学・体験は、やりたいことが決まった後、どのスクール・教室が合いそうかを確かめる段階で活用しましょう)。
くろさわ流としては、子どもに「興味を持たせよう」との意図を持たずに、ただ見て・触れる機会を持たせてあげたいと考えます。一番良い方法は「子どもが見ているところで、親が楽しむ」です。例えばピアノなら、子どもには特に何も言わないで、親自身がピアノで遊ぶだけ。上手に弾けるかどうかは関係ありません。ネコふんじゃったでも、ドレミファソラシドでも、鳴らして遊べばOK。ほとんどの子は、これを見れば自分も触りに来るはずです。好きなように(壊さない範囲で…)触らせてあげましょう。
こういった機会を何度か作ってみて、その時の子どもの様子(集中度合い、すぐ飽きるかどうか、など)を見ながら、子どもの興味の対象とその強さを感じてあげてくださいね。
気をつけていただきたいのは、あくまでも「子どもが自分で見て、触れる」の範囲に留めておくこと。親が「やらせる」「教える」「指導する」ことのないよう、肝に銘じておいてくださいね。