なぜ親は反抗期の子供の猛攻をあえて受けなければいけないのか?

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「我が子に関していえば、反抗期など無いほうがいい」と考える親御さんも多いといいますが、果たして本当にそれが正しいのでしょうか?今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師でもある松尾英明さんが、プロレスの「受けの美学」を例に取り、子供の反抗期を親としてどう受け止めるべきか解説しています。

反抗期の猛攻に「受けの美学」

受けの美学」について。読者のお便りからの気付き。

「受けの美学」は、教師にはもちろん、親にも必要であると気付かされた。特に、反抗期の子の親には、我が子の理不尽な猛攻を甘んじて受けるという気合いが必要である。

この攻撃を、やたらと避けたり封じたりしてはいけない。確実に負のエネルギーとして蓄積する。プロレスよろしく、「ばっちこーい!」と(できれば)余裕をもって受けとめエネルギーを解放するのである。親的には瀕死の重傷レベルに痛いかもしれないが、だからこそ展開をドラマチックに盛り上げる大事な要素になるのである。やはりドラマは「死の淵からの生還」が一番盛り上がる。

逆にこれをやらないと、将来が相当大変なことになる

中学生に「〇〇ちゃんはいい子だからそんなこと言わないわよね…」と涙ながら、あるいはしたり顔で諭す親を想像してもらいたい。かなり気持ち悪い。かつてのドラマの「冬彦さん」の親よろしく、である(昭和の方にしか伝わらない)。

この攻撃の封じ方は「いい子封じという裏技である(教師も無意識に使いがちなので要注意)。攻撃自体をさせない最強の裏手であるが、プロレス的「受けの美学」からすると、一方的な攻撃であり醜悪の極みである。

手順は次の通り。

  1. 「悪いことを言ったりしたりする子は悪い子」というレッテルを貼る(世間全体に対して貼る。近所の子ども等に貼ってもよい)
  2. 「悪い子は愛されない」と子どもに認識させ、全ての子を「良い子」と「悪い子」の二分化させる
  3. 親の言う通りにしたことや望む良い成績をひたすら褒める。望ましくない行為や結果は全て叱る

これで、ばっちり出来上がりである。一つも悪いことをしなくなり、結果を求めて努力する模範的な「良い子」になる。ただし親の目の届く表面的にである

特徴として、なぜかこの子は、学校の担任から意味不明な呼び出しがかかることが多い。我が子は「良い子」なのに、納得いかない。

結論、担任もクラスの子どもたちも含め、我が子以外の学校側が全てアホの集まりということで納得する。当然「クレーム」をつけるのが「正義」なので、そうしてあげる。学校の側の教育を直してもらわないと、困るからである。全く、困った愚民どもである。

まあ、こういう思考になるが、ある日間違いに気付く。「良い子」がある日突然の反旗を翻す。自我が発達し自分の親が変なんじゃないかと気付き始めたからである。

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