自分をこんな風にしたのは、親のせいだと強い憎悪が生まれる。この後は暴力行為はもちろん、最悪、殺傷事件に至ることもある(ちなみに暴力行為自体は、適切に育っている子どもであっても、制御不能なエネルギーの暴走として発生する。「受けの美学」発揮である)。
つまり、小さいころから適切に「不適切」を出させて、周りが受けていないとダメなのである。
けんかもするしいたずらもする。悪口を言うこともいじめをすることもあるし、怠惰な面もある。朝は起きられないし、忘れ物ややるべきことの先延ばしも日常茶飯事である。
全部自分のことなのではないかと思った人は、正解である。子どもも大人と一緒の人間である。大人だって、全然完璧じゃない。穴だらけのようだが、実はそれも含めての完全なのである。
駄目な感じの自分がたくさんいるけど、それもすべて愛で受け止める。子どもに対しても、そこは同じである。
プロレスの「受けの美学」は、なかなかに深淵な哲学を含む。攻撃を甘んじて受けられる、強い心と身体とを鍛えていきたい。
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