さて、Facebook好きで、知人、元同僚らをネット上で見つけては記事や情報を流している合間に、新聞や雑誌のオンラインサイトをのぞきネットサーフィンやり放題。音楽、映画、テレビ番組もイヤホンをつけて楽しみ、無料のゲームにも熱中する。時間を忘れてパソコンに向き合ううちに、「石のお地蔵さん」のようにパソコンの前で動かなくなってしまうというのです。
別に、いいじゃない…何が悪いの?誰にも迷惑かけないじゃない?と思いますが、パソコンの世界にハマり過ぎで、毎日の日課となった長時間のパソコン操作や多数の見えない相手とのやりとりは、仕事に復帰したような錯覚を起こさせ、ネット検索を繰り返すうちに、自分は知識豊富で有能で、人を思い通りに動かせると思い込む「万能感」を育てる可能性がある…というのです。
最近、高齢者ケアの関係者を困らせているのが、「預けた親の介護生活を隅々までチェックして、クレームをつける定年男子」の存在だといいます。メディアやネットを駆使して情報を集め、それを提示し、自分の親だけに最高にして最良のケアを要求してくる。やんわり断れば、労働の効率化や改善案を提示、はては経営方針の転換まで、まるで仕事相手に対するように迫るというのです。
時間がたっぷりあるから、対応する方も時間をとられて大変で、その分、入居者のケアにつかう時間が減ってしまいます。その時間と熱意を親との会話やスキンシップに使う方が親孝行では…とぼやきたくなるというのです。
もし、定年男子が「パソコン万能感」で理論武装し、家庭内で管理職手腕を発揮して、妻に効率化や改善を迫ったら、新しい被害発生です。日々の暮らしは、予定通りいかない超アナログなものです。目標を立てて達成を目指すより、コミュニケーションが大切なのに、管理職手腕?を持ち込まれたらたいへんだ…という記事の内容だったのですが、同じようなことが、マンション管理の世界でも起きているように感じて、ハッとしたのです。「パソコン万能感」で理論武装して、管理会社のフロント担当者に迫る…という現象、あるのです。