うつ状態になったのはボケの初期段階である可能性があるほか、うつ病そのものがボケの危険因子になることも考えられる。自分の考えや感情を表に出さず溜め込んだり、何ごとも理詰めで合理的にやろうとするのも、ストレスフルな態度と考えられ、それもボケ発症の原因になる。また、新聞や本をよく読む人、教育歴の高い人は、ひとたびボケを発症すると、進行が速い傾向にあるという。
カレーを食べるとボケにくいという説がある。疫学研究で65歳以上のアメリカ 人とインド人を比較したところ、アメリカ人はボケの発症率が1,000人中17.5人、インド人は4.7人だった。カレーにはウコンという多年草の植物が使われている。ウコンに含まれる「クルクミン」というポリフェノールは、さまざまな病気の治療薬として使われている。私の好きなカレーはそんな効用があったのか。
自分の考えや感情を表に出さず溜め込むとストレスになるし、何ごとも理詰めで合理的にやろうとするのもストレスフルな態度だと考えられる。言いたいことをいい、「まあ、こんなもんでいいか」と物事を大雑把に考える人のほうが、長生きできる可能性が高い。わたしはその型だと思うが、長生きはご免である。
ボケ防止は、家にひきこもるな、家の外では身だしなみに無頓着ではダメ、日記やブログを書け、緑茶を飲め、葉物野菜を食べよ、著者はそういうアドバイスをしている。わたしはけっこうそんな生活をしているから、サクセスフルエイジング(健康老化)中である。ヘタしたら長生きしちゃうじゃないか。
編集長 柴田忠男
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