アメリカ、「フィリピンを中国から守る!」宣言
しかし、2018年に米中覇権戦争がはじまった。それで、フィリピンに「追い風」が吹いてきたようです。
南シナ海でフィリピンに攻撃あれば米が防衛、ポンペオ氏 中国けん制
3/1(金)18:07配信【AFP=時事】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は1日、南シナ海(South China Sea)の大半の領有権を主張する中国を念頭に、同海域でフィリピンに対する武力攻撃が行われた場合には相互防衛条約に基づいて同国を防衛すると明言した。
アメリカとフィリピンは1951年「米比相互防衛条約」を締結しています。これがあるのに、「明言」する意味はなんでしょうか?日本の尖閣と同じですね。日米安保がある。しかし、アメリカの政府高官は時々、「尖閣は、日米安保の適用範囲」といいます。この一言で、中国は、「嗚呼、尖閣を侵略したらアメリカが出てくる」ことを知り、「ほんじゃあ、侵略はやめておこうか」となる。
ポンペオ氏はフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領との会談後、記者会見を行い、その中でフィリピンなどが領有権を主張する南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)で中国が推し進めている人工島建設について、米比両国にとっての潜在的脅威だとの認識を示した。ポンペオ氏は「南シナ海における中国の人工島建設や軍事活動はフィリピンのみならず、米国の主権や安全保障、ひいては経済活動をも脅かしている」「南シナ海は太平洋の一部であり、フィリピン軍や航空機、公船に対する武力攻撃が行われた場合には米比相互防衛条約の第4条に基づき、相互防衛義務を発動する」と明言した。
(同上)
中国の行動が「アメリカにとっても脅威だ」と認識しているのはありがたいことです。
米政府高官が南シナ海における同盟国防衛について公式に発言したのは今回が初めて。
(同上)
「今回が初めて」だそうです。
「こんなことで、何か効果があるの?」と思うかもしれません。繰り返しになりますが、効果あります。尖閣中国漁船衝突事件が起こった2010年、尖閣が国有化された2012年いずれの場合も、中国は、尖閣侵攻の準備を進めていました。しかし、アメリカから「尖閣は日米安保の適用範囲」と明言され引き下がったのです。
中国が、尖閣、沖縄を狙っているのは、事実です。そして、中国がなぜ動けないかというと、米軍がいるから。このことは、アメリカが好きだろうが、嫌いだろうが、現実として認めるしかありません。
ポンペオさんの発言。フィリピンにとっては、まことに喜ばしいことといえるでしょう。