売上アップのためにも重要とされる「待機姿勢」。そんな、お客様を待つときの店員の姿勢が、来店客数を伸ばせない原因になっていることもあるといいます。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、その理由と改善策を記しています。
まず「待ち方」を変えてみる
これまでの経験上、お店が真剣に売上アップをしていきたいと考えているならば、まず、待ち方を変えてみることが重要だと思います。
待ち方とは、お客様が来店されるまでの間、一般的に、「待機姿勢」などと呼ばれるような部分のことですね。待ち方を見直すことで、お店の売上が改善されることは、実は決して少なくない話です。
待ち方は、お客様の来店数に影響を与えます。待ち方が良くないお店では、お客様の来店数や、店内の回遊時間などが下がります。逆に、待ち方がちゃんとしているお店では、来店数自体が増えたり、お客様が店内を回遊する時間が伸びることもあります。
売上を上げるためには、一客あたりの客単価を上げることと同時に、客数を増やすことも大事になってきますので、待ち方を変えて、客数が増えれば、売上向上につながるのです。
では、具体的に、どんな待ち方をすれば良いのでしょうか?これについては、過去にも「ゼロアプローチ」という言葉の中で度々お伝えしてきています。「ゼロアプローチ」については今回は省きますが、基本的に、良い待ち方とは、「動的待機」です。「動いて待つ」ということですね。
ただ、この言葉自体は知っていても、本質的な意味を理解できていない人を多く見かけます。ということで、「動的待機」とはどういうことか、一度整理して確認してみましょう。
「動的待機」は、「動待機」と呼ばれることもありますが、言葉通り、動いて待機することを指しています。ぼーっと突っ立って待つのではなくて、店内を動いて、お客様の入店を待ちましょうよということです。
ですが、これは、ただ単に移動しているという意味では決してありません。実際、「動的待機」を促しても、「いつも動いていますよ」という人がいます。でも、その様子を見てみると、手を組んでプラプラと店内を歩き回っているだけの人が結構いるのです。「ただ移動している」ことを「動的待機」だと勘違いしているのですね。
そもそも、「動的待機」をする目的は、お客様が店内に入りやすい雰囲気を作るためです。なぜ「動的待機」をすれば入りやすくなるかというと、販売員(店員)が動いていることで、お客様は、「売り込まれるという恐怖感」を感じにくくなるからなんですよね。
つまり、何か作業をしているとか、仕事に集中しているように見えるから、店内に入っても、すぐに自分を接客しに来なさそうと感じて、入りやすくなるということです。ですから、手を組んで移動しているだけでは、お客様の「売り込まれる恐怖感」を払拭することはできません。結局、入店しにくい待機姿勢になってしまっています。
だからこそ、今一度、待機姿勢を見直すことを改めてお伝えしたいのです。
「動的待機」ができているというつもりでも、実は動きがなんとなくそうなっているだけで、やっていることは「静的待機」という、止まってお客様を待ち構えている状態と何ら変わりない場合もあります。それでは、お客様はお店へ入ってきてくれません。今すぐにでも、チェックしてみてください。
今日の質問です。
- 店で行なっている「動的待機」は、本当に「動的待機」に見える待ち方になっていますか?
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