ブラック企業、虐待、未婚化、少子化…平成を「苦しめた」原因

 

昭和の価値観が崩壊し、新しい価値観が登場しない

1950~1990年、日本は成長期でした。それをけん引したのが、「会社教」。「会社教」は、2つの現世利益」を、国民に提供しました。1つ目は、「年功序列」。年と共に、役職も給料も上がっていくのです。2つ目は、「終身雇用」。リストラされない。学校を卒業して入った会社で、定年まで働くことができる。この2つの「現世利益」に支えられた「会社教」が日本経済を復活させました。

ところが、2000(平成12)年ごろになると、企業はもう「2つの現世利益」を維持することができなくなった。そんな時、ちょうどカルロス・ゴーンさんが日産のトップになり、「大リストラ」を断行。それで、日産を「V字回復」させることに成功した。これで、「リストラ解禁!」とばかりに、日本の経営者もどんどんリストラをするようになった。

会社は、もはや2つの現世利益を提供できない。そう、これで日本経済を支えてきた「会社教は死んだのです。しかし、死んだのに、誰も「会社教は死んだ」といわない。それで、国民は、「年功序列もない」「いつリストラされるかわからない」状態で、「労働環境は、会社教時代のまま」働かされることになった。それで、日本は「ブラック企業国家」になってしまった。

  • 過労死、過労自殺
  • 未婚化(結婚相手を見つける時間がない)
  • 晩婚化(結婚相手を見つける時間がない)
  • 少子化(子供を産み育てる時間がない)
  • 孤独死(年取った親の世話をする時間がない)
  • 児童虐待(忙しすぎて、親に子供を愛する余裕がない)
  • 子供成人病の増加(親が忙しすぎて、まともなものを食べさせることができない)

などなど。これらは、「年功序列」「終身雇用」なしで、過酷な労働を強いられた結果です。そう、平成時代、会社教は滅びていった。しかし、「新しい価値観いまだに生まれていないのです。

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