著者は貴重な証言者と直接会話し、多くのことを聞いた。『朝鮮総督府官吏・最後の証人』の著者である西川清氏である。朝鮮総督府ではすべてが厳格なルールに従い、透明な形で行われた。「強制」ではなく「説得」と「納得」の手続きだった。労働条件などをきちんと説明した上で徴用工を日本に送り出した。
また慰安婦の強制連行も「絶対に」ないと断言した。当時の実情を見れば、役所や警察では多くの朝鮮人が働いていた。西川氏の上司の知事は朝鮮人だった。朝鮮の男達が強制連行を指示する命令書に、おとなしく従うなどあり得ない話だと氏は語っている。こういう貴重な証言こそ、教育の現場で伝えられるべきだが、残念ながら無理だろう。日本の小中高では自虐史観の教科書が殆どだ。
わたしは大学卒業前に、地元の強力な日教組幹部の推薦で、赴任先まで内定していたのだが、教職に必要な一科目が未履修だったという教務課のミスでパーになった。いま思うとそれは天の配剤であった。そのベルトコンベアに乗っていたら、ヘタレな左翼教師で人生を終わっただろう。不足単位は一年後に取得したが教師は目指さなかった。出版界に行ったから今日がある。
編集長 柴田忠男
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