韓国、堕ちた信頼。政治と経済の両面で進む世界的な「韓国離れ」

 

そして4つ目のend gameについては、日本ではほとんど報じられることがありませんが、世界のキリスト教コミュニティーから突きつけられたend gameです。

これは、先述の文大統領のローマ法王への訪朝依頼に起因するのですが、バチカン市国のみならず、キリスト教の国々から、文大統領が行ったことは、ローマ法王の政治的利用であり、断じて許すわけにはいかないとの批判の声が上がっている様なのです。

韓国は、国民の3割がキリスト教徒とされ(カトリックとプロテスタントの比率は2:1)、その割合は仏教を抑え、最大の宗教となっています。教徒の数は1376万人ほどとされ、総数ではアジアで第5位の教徒数ですが、国民に占める割合では、元ヨーロッパの植民地であったフィリピンと東チモールに次ぐ第3位のキリスト教国とされています。

ゆえに、キリスト教社会においてはそれなりの存在感を示していたのですが、その立場が最近になって危ぶまれてきているようで、どんどん味方を失っているとの情報があります。例えば、国連の諸委員会などで票を取る際に、一つの支持基盤として用いることが出来たキリスト教諸国からの支持にも揺らぎが出ているとされています。

これにより、外交面でのend gameに加え、少し大げさな見解かもしれませんが、宗教・思想的な面でもend gameは発動されているのかもしれません。

これらの大きく分けて4つの側面から見ることが出来るend gamesは、朝鮮半島の両国を孤立させる方向に進んでいます。

北朝鮮については、これまでにも独自の閉鎖的な体制と各国への威嚇行為などゆえ、すでに孤立していると言えますが、韓国については、国際社会における孤立が明らかになるにつれ、場当たり的な言動が多く見受けられるようになり、どんどん悪循環を重ねる結果になっていることが、想像できない行動に走らせる衝動になる可能性が懸念されます。 その矛先は歴史的なスケープゴートの日本なのか、それともその矛先は欧米社会や中国などにも向くのか。その答えがどのようなものであったとしても、朝鮮半島にとっては、あまり好ましくない結果が待っているのではないかと、とても懸念しています。この懸念が、私の徒の杞憂に終わることを祈ります。

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世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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