職業を選べない日本の就職事情。経済と精神、両面の安定は可能か

 

5.経済的安定とストレス

自ら選ぶ好きな仕事は、安定した生活を維持するのが難しい。好きでなくても、大企業や公務員として就職し、与えられた仕事をこなしていれば、収入は安定する。よほどのことかない限り、解雇されることもない。

経済的な側面で考えれば、より良い大学に進学し、安定した大企業に就職することが正解である。しかし、その生活でストレスを感じる人も多いだろう。ストレスにより自殺してしまう人も少なくないのだ。

精神的な安定という意味では、好きな仕事を選んだ方が良い。組織内の人間関係で神経を磨り減らす人も多いが、フリーランスで働いていれば組織の人間関係で苦しむことはない。反面、経済的なストレスを感じるかもしれない。どちらを選ぶのかは個人の考え方次第だ。

6.定年後の精神的安定

大企業のサラリーマンや公務員で定年まで勤め上げれば、それなりの退職金も支給されるし、年金も支給される。経済的には老後の生活は安心できると思う。

しかし、定年になった途端に、気持ちの張りを失い、急速に老け込む人がいる。会社という共同体から切り離され、自分の居場所がなくなり、鬱になる人もいる。

個人で好きな仕事をしている人は、自分が働ける限り働くだろう。退職金はないが、やることがなくなったり、社会と隔絶してしまうことはない。友人や知人がいて、コミュニケーションを失わなければ、精神的な健康を保つことができる。

編集後記「締めの都々逸」

「どうせ人生 死ぬまで生きる 好きなことして生きていく」

大学出てサラリーマンになることが経済的な安定を得る近道だと思いますが、サラリーマンには定年があるんですよね。定年後の暮らしも結構長いのでこれをどのように充実させるかは重要な課題です。

定年過ぎて、中学校のクラス会をやると、不良や落ちこぼれだった人達の方が元気だったりします。中小企業の社長や、飲食店の親父になって、バリバリ現役で働いている。地元に根付いているので友人も多い。優等生は大企業を定年になってしょぼくれている人が多いんです。

女性は全般的に元気です。旦那さんがしょぼくれても、奥さんは元気。地元に根ざしているし、友達も多いし、趣味も多い。起業を勧めると、リスキーなことを勧めるのは良くないという人がいますが、サラリーマンという生き方も意外にリスキーですよね。

image by: shutterstock.com

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