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親の「それはどういうこと?教えて」の声かけが高める学習効果

子どもの学年が上がってくると、学習内容が難しく、教えられないという悩みを抱える親御さんが増えてきます。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者、柳川由紀さんが、そんなママやパパのために、教えることはできなくても、子どもが何を学んできたか聞き出すことで理解度を深めることができると、声かけのコツを教えてくれます。

アウトプットの大きな効果

Q. 子どもたちの学年が上がり、勉強が難しくなってきました。塾へ行かせるのは早いと思い、家庭学習をさせています。効率の良い勉強法や、習ったことを身につけさせるための良い方法はありませんか?(小4男児、小5女児ママより)

柳川さんからの回答

小学4年以降になると、子どもたちは急に勉強が難しくなったと感じます。これまでの基礎がものを言う時期の到来です。家庭学習において効率的に身につける勉強法として積極的な「アウトプット」をお勧めします。その効用についてお伝えします。

1.内容を理解する

アウトプットすることで、インプットされた知識をより深く理解することができます。先生の授業を「聴く」、教科書を「読む」、内容を「覚える」など、子どもたちには日々膨大な知識がインプットされています。

それらの膨大な知識を人に説明(=アウトプット)するとき、細部の情報までしっかりわかっていないとなかなかできないことに気づくでしょう。

つまり、アウトプットは、インプットされた情報をより確かに理解していないとできないのです。ですから、アウトプットする=内容の理解が深まるのです。

2.自分の課題発見ができる

アウトプットをすることで、自分の苦手なことに気づいたり、課題を見つけたりできます。反対に、新しく興味を持つことを発見する効果もあります。

3.伝える力がつく

アウトプットは、相手に「より分かりやすく伝える力」がつきます。同じ話題でも、相手によって興味を持つ点が違いますから、それぞれに伝わり方が違います。
相手に合った伝え方、例えば、相手のフィルターが三角ならば、情報は三角に変えて、四角なら、四角にして、相手が理解できるように伝える必要があります。

家庭教育アドバイス…「アウトプット法も人それぞれ」

アウトプットというと、言葉で伝えるイメージがありますが、それ以外にもあります。例えば、文章で、絵で、工作で伝える、などさまざまです。
ある時、小学5年生の算数で、立方体の容積を学ぶ授業がありました。まず、表面積を求めるときのこと。「正方形は何面ありますか?」と問われ、発表した児童は、「このセットとこのセットとこのセットなので6枚」と言いました。

「このセット」の部分は、立方体の向き合う正方形のセットを、両手で上下、正面背面、両側面と表現して正方形の数を示しました。文章に書くよりも、口で説明するよりも伝わったようで、クラスの児童からは「おー!それな」、先生からは「分かりやすいですね」と発表した児童は称賛され、本人も誇らしげでした。

このように、子どもの数だけアウトプットの方法があるかも知れません。そして、アウトプットの結果、その努力や成果が先生やクラスメートから誉められると、子どもの勉強意欲の向上に繋がるだけではなく、自己肯定感も高まります。

ご相談者のように、勉強内容が進む高学年のお子さまたちには、「今日は何を教わったの?」「それはどういうことかママに教えて」などと、アウトプットの機会を作る声かけが効果的です。
学習意欲も、学習効果も高まる「アウトプット」。親子のコミュニケーションの一つとして、ご家庭に取り入れてみてください。

image by: Syda Productions, shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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