普段自宅でトレーニングしている人にとっては、ジムを利用するメリットはわかりにくいもの。利用に際し、準備すべきものについても悩みます。メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』を発行する桑原弘樹塾長は、メリットについて「効率がいい」とズバリ。ジム通いの必需品に加え、ケガを予防し、トレーニングの効率を上げてくれるオススメのトレーニングギアも教えてくれました。
ジムに行かないと鍛えられないのか?
Q. これまで自宅でトレーニングをしていました。腕たて伏せや、ダンベル(鉄アレー)を使ったトレーニングが中心です。近くにしっかりとしたジムが出来たので、もう少し本格的に体を鍛えてみようかと考えています。目的は筋肉をつけることですが、そもそもジムに行かなくては鍛えられないものでしょうか。何を準備したらいいのでしょうか。(31歳、男性)
桑原塾長からの回答
近くにジムが出来たとの事。それはめでたいですね。私は兵庫県の芦屋に住んでいますが、近くにゴールドジムが出来てくれないかなぁと今もずっと願い続けています。自宅でもトレーニングをされていたということですが、やはりジムでのトレーニングは効率がいいと思います。効率がいいというのは、使った労力の割にしっかりと筋肉への刺激がいくという意味です。
例えば、腕立て伏せを100回やるのであれば、ベンチプレスを10回やった方が効くというようなニュアンスです。スクワットにしても自重では回数で追い込むしかありませんが、ジムにいけばバーベルスクワットも出来ますし、最初はマシンを使ってレッグプレスなどでも十分に効果が感じられます。
ホームトレーニーでもしっかりと鍛えている人はいると思いますが、やはり、ジムで鍛えるメリットは比べ物にならないでしょう。特に、背中の筋肉は、なかなか自宅や自重では鍛えにくいものです。公園などの鉄棒でチンニングをするという手もありますが、鍛え方に限界があります。通常のジムであれば、ラットマシンやロープーリーもありますし、少し慣れてきたらデッドリフトを覚えていくとかつてない刺激となるでしょう。そういうわけで、ぜひジム通いをしてかつてない刺激を味わってください。
次に必要なものや準備するものですが、絶対に必要なのは、ティシャツ(タンクトップ)、短パン(スウェット)、室内用のシューズ、タオルです。個人的にはタンクトップと短パンが好きです。理由は、汗をかいたときにも動きやすいという事です。シューズはトレーニングの内容によって、少し選び方が変わってきます。ランニングなどを主体に考えるのであれば、比較的ソールの厚い一般的に売られているランニグシューズがいいでしょう。ウエイトトレーニングを中心に考えているのでしたら、ソールがフラットで逆に柔軟性のあまりないものがお勧めです。私はレスリングシューズを愛用していますが、市販されている有名なスニーカーでいえば、アディダスのスーパースターや、コンバースのようなシューズのイメージです。その方がスクワットにしてもレッグプレスにしても力が入りやすいのです。
次に準備するといいのは、パワーベルト(トレーニングベルト)ですね。自宅とは違い高重量を扱う事が出来る分、怪我のリスクも高くなります。特に、腰への負担が大きい種目が増えるので、しっかりと腰を守る意味で重要なアイテムです。腰の保護という目的以外にも、腹圧を上げるという効果があります。大きな力を発揮する際には、思いっきり腹圧を上げる必要がうまれます。その際に、ベルトでしっかりとお腹が固定されていると、うまく力が発揮されやすいのです。通常、レッグプレスなどでは腰を痛める事は起こりにくいですからベルトをしなくてもいいのですが、私は腹圧を上げる目的でレッグプレスなどの際にもベルトはします。
そして、もう一つ、腰回りがしっかりと固定されることで体幹がしっかりとします。これはラットマシンなどの時に感じるかもしれません。ラットマシンも腰への負担は気にしなくていい種目ではありますが、ベルトをしっかりと巻いた方が高重量にも体がぶれずに引っ張ることが出来ます。このようにパワーベルトはジムに行く際には優先順位の高いトレーニングギアと言えます。
次にお勧めのギアはリストラップです。手首を保護するサポーターのようなものです。これも高重量を扱うようになってくると有難みが分かるアイテムです。例えば、ベンチプレスをする際に、少しでもフォームが崩れると、本来のターゲットであった大胸筋以外に負荷がかかっていくことになります。最も痛めやすい箇所が手首です。そもそも小さな関節であって、一番バーに近い関節でもありますから、間違った負荷の伝わり方をするとすぐに怪我に繋がってしまいます。それほど手首とは怪我に気を付けなくてはいけない部位なのです。
そして、最後にパワーグリップです。これは専ら背中のトレーニングに利用します。背中は主に引くという動作で行うので、どうしても握力の限界が重量の限界となってしまうのです。パワーグリップを使う事で、握力の限界を超えた重量を扱う事が可能となります。握力も鍛えるから、そのようなギアは使わないという人がいますが、効率としてはあまりよくない考え方だと思います。
背中を鍛えているのですから、握力よりも背中を最優先すべきだからです。握力を鍛えたければ、握力用のトレーニングをするのが効率的といえます。
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