このメールですが、とても大事なことを私たちに教えてくれています。Mさんは、ロシアの管制官の愛想がいいので、
我々日本人パイロットはロシアに対して結構好感を持っている人が多いと思います。
という結論になっています。我々日本人パイロットは、「ロシアの【管制官】に好感をもっているとは書かずに、【ロシア】に対して好感をもっている、つまり、愛想のいいロシア管制官のおかげで、日本のパイロットさんたちは【親ロシア】になっていると。
それで、通過する各国のあいさつを覚え、その国の言葉で管制官に挨拶するようになった。その挨拶を聞いた管制官は、きっと【日本国】のことが好きになるでしょう。
Mさんは書いています。
とても小さな事かも知れませんが、そういう積み重ねが日本の好感を上げ、何かの役にきっと立つだろうと感じております。
まさにその通りですね。私たちは、意識するしないに関わらず、「目に見えない看板」を背負っていきています。その看板には、「日本国」という文字が記されている。
外国人が道を尋ねた。その時私たちが、親切に道を教えてあげ、なおかつその場所まで連れて行ってあげれば、「なんと【日本人】は親切なことよ!」と感激し、自分の国に帰って日本国の宣伝をしてくれることでしょう。逆に外国人に不親切にすれば、「日本人は冷酷民族だった」と拡大解釈されてしまうことでしょう。
私たちは、「国益」ときくと、何かメチャクチャ抽象度が高く、しばしば「自分と関係ない」と思ってしまいます。しかし、実をいうと私たちの言動の一つ一つが、日本国のためになったり、為にならなかったりします。
私も偉そうなことはいえません。意識して、日本の評判をあげる言動をしていきましょう。Mさんがされているように。
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