トランプ発リーマン級大不況に備え日本が消費増税をすべき理由

tsuda20190617
 

10月の実施までまさに「秒読み段階」となった消費増税ですが、識者の間からは反対の声が上がり続けています。果たして増税は、彼らの言うように「景気のさらなる減退」を招くことになるのでしょうか。そんな意見に異を唱えるのは、メルマガ『国際戦略コラム有料版』著者の津田慶治さん。津田さんは財政健全化のために消費増税は不可欠とした上で、このまま放置すれば金融資産価値が10分の1になる可能性もあるという味方を示しています。

消費税増税が必要な日本経済の状況

消費税増税に対して、大不況が起きるという評論家が多く、かつ、執拗に繰り返しているが、日本経済の現状からすると、消費税増税しないとした時よりひどいことになる。その検討しよう。

日米株価

NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで過去最高株価であるが、12月26日21,712ドルと暴落したが、その後は上昇して4月23日26,695ドルになったが、米中貿易戦争激化とメキシコ移民問題が出て6月3日24,680ドルまで下げた。しかし、対墨移民問題が小休止し、FRBの今年3回利下げ観測で6月14日26,086ドルまで戻している。しかし、またも26,200ドル近辺まできたのでトランプ砲が炸裂する可能性がある。

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落し、4月24日22,362円に上昇したが、対中対墨貿易移民戦争激化で6月4日20,289円まで下落。しかし、米国で今年3回利下げ観測と、選挙前の積極的な日銀のETF買いで6月14日21,116円になっている。6月14日は、SQ日であったが、やっと2兆円と出来高が非常に少ない状態が続いている。

今週、FOMCが6月18,19日に行われるが、7月の雇用統計を見ないと景気後退を確認できないので、今回は利下げはないと見るが、7月利下げの見通しをパウエル議長が述べないと株価は下落することになる。トランプ大統領もパウエルFRB議長と電話会談をしたが、利下げの時期で見解が大きく違うようである。

そして、6月28,29日のG20で米中首脳会談が行われないか、決裂になると、ここでも株が下落することになる。6月24日にペンス副大統領が、中国の人権問題や香港問題ついて演説するようである。6月後半は株価が下落する可能性が高いような気がする。

6月12日、安倍首相とハメネイ師の会談に合わせてホルムズ海峡でのタンカー攻撃が起きた。イランの革命防衛隊が関与したと米国は見ているが、イランは攻撃をしていないと否定している。しかし、イラン国内のタカ派が攻撃したとも感じる。しかし、この攻撃を受けても、東京の日経平均株価が84円高になり、不思議な感じである。

中東の石油やLNGを運ぶタンカーがホルムズ海峡を通れなかったら、日本経済は大きなダメージを受けるので、日本売りになると見たが、そうではなかった。ホルムズ海峡封鎖は、昔から不安視されていて、UAEはホルムズ海峡迂回パイプラインを2本建設済みであり、このパイプラインの利用ができるが原油のみである。そして、市場は、様子見の状態に終始している。

イランと米国の関係は、安倍首相の仲介でも容易に解消できないし、安倍首相のイラン訪問で、より緊迫した状態になってしまった可能性もある。現状では、中東戦争を止めることができていない

米国では、トランプ大統領側近のボルトン補佐官が中東政策を仕切っているが、安全保障会議を開かずに、ポンペオ国務長官と協議して政策をしているようである。このため、ボルトン補佐官が、タンカー攻撃を誰かにさせた疑惑も出ている。どうしてもイラク戦争前夜のイラクが核開発をしているというフェイクで戦争を開始した記憶があり、ボルトン氏を信用できない。

米中貿易戦争の結果は

トランプ大統領は、第4弾の中国からの輸入全品に関税25%UPの実施時期をG20直後としていたが、期限を決めないとした。そうしないと、習近平国家主席は、トランプ大統領の脅しで怖気づいて首脳会談を受けたと思われ、中国国内から批判が出て、首脳会談自体にも出席できないことになるからである。

中国社会がメンツを重要視していることを、トランプ大統領は無視しすぎである。欧米社会の交渉論理とは違うことが、今まで気が付いていなかったようである。

しかし、米中首脳会談が開かれても合意できるはずがない。トランプ大統領の大幅な譲歩がない限り、中国は米国と対等な立場を確保できていない今の協定では、メンツから合意できない

しかし、トランプ大統領は、米国内労働者や共和党と民主党の対中強硬政策支持を背景に、大幅な譲歩の姿勢が取れない。そして、ライトハイザーUSTR代表やナバロ氏などの強硬派が中心に対中交渉を行ってきた関係から、交渉担当者を代えないと、ここで引き下がることもできなくなっている

その意味では、ボルトン補佐官に任せている中東の状況と似ている。強硬派を使い圧力を掛けることはできるが、譲歩の方向に舵を切れない。

6月初めの欧米VIPが議論する秘密のビルダーバーグ会議でも、米中の貿易戦争は100年続くという結論であったようだ。米国からは、ポンペオ国務長官とクシュナー上級顧問の2人が出たので、米国に不利な結論になっていないようだ。

しかし、時が経つと、中国は内需経済へ転換して、かつ、トランプ大統領の同盟国をも敵にしていることで、世界貿易の主軸は、12億人の中国になることが明確化して、貿易戦争では米国の負けが徐々に見えてくる5年程度で勝敗はつく。「奢れる者、久しからず」を米国は、実行しているから仕方がない。

よって、貿易戦争の勝負は短期に決着しないと中国の勝ちである。途中、中国経済は一時苦境に陥るが、米国の貿易赤字は減らないし、米企業製品は中国市場では売れなくなる。その内、米国を除く世界市場でも、中国製品が売れ、米国製品は売れないことになる。米国製品市場は米国だけになる。

もう1つ、米国国内の農業州では、大豆など中国への輸出農産品の価格が大幅下落して、トランプ大統領の支持率が落ち、親中的なバイデン候補の支持率が上がっている。トランプ氏の全体的な支持率は40%と変わらないが、共和党の支持基盤の州で負ける可能性ができ来ている。トランプ大統領の米中貿易戦争は曲がり角に来ている。

よって、米国は譲歩しても、早い決着をするべきであると見る。もしかすると、2020年大統領選挙では、バイデン氏が勝つことさえあると見る。

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