トルコの情報筋いわく、実際に、エルドアン大統領も訪日にあたり、決して表沙汰にはなりませんが、安倍総理からそれなりのプレッシャーはかけられているようですし、議長を務める安倍総理に対して、エルドアン大統領も現在の国際情勢における懸念事項に関する“情報”を提供しているようです。
今回、確実にトルコはG20の成否のstakeを握っていると思われますが、実際の成否を決めるのは、日本がいかにトルコからもたらされている情報と戦略的な友好関係をうまく用い、トルコを傷つけることなく、アメリカやロシア、欧州各国(特にフランスとドイツ)、そしてサウジアラビアとの間に存在する懸案事項(特にイラン関連の問題)の解決の糸口を見いだせるかがカギになります。
もちろん、今回のG20の最大の懸案事項は米中貿易戦争にまつわる緊張と国際経済への負の影響をいかにして和らげるかという点ですが、イラン関連や中東関連の緊張緩和に対するハンドリングを間違えると、ドミノの様にG20における懸案事項の話し合いに水を差し、結果的に米中貿易摩擦の解決に向けた糸口を探るという最大の注目マターにも悪影響を及ぼしかねません。
G20サミット中は、目の回るような忙しさでなかなか個別のイシューに対して目配りをしづらいかもしれませんが、今回、どのように議長としてハンドリングできるかが、今後、日本外交の国際的な位置付けを決める指標になるといっても過言ではありません。
先日の安倍総理のテヘラン訪問に対する評価はまちまちですが、私はこれまでの日本のリーダーの外交姿勢とは大きく異なり、初めて国内向けのアピールとしての外交から、真に国際問題の解決に向けたkey playerとしての日本外交の姿勢というように本格的な脱皮・進化の可能性を見出しました。
今回のサミットを、“そつなくこなす”のではなく、ぐちゃぐちゃに絡み合ってしまっている国際情勢の糸を解きほぐすようなリーダーシップを、ぜひ安倍総理そして日本政府には発揮してもらいたいと期待しています。
そのためには、いかにエルドアン大統領を“使いこなせるか”がカギであると私は見ています。
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