強調すべきは「なぜ日本の首相や天皇が公式参拝することが米国およびその同盟国の国益になるのか?」です。
最近、トランプ大統領が「日米安保は片務的で不公平」と発言したと報道されて話題になりました。ここで、「片務的ではない」と反論するだけでは全く不十分です。時代は変わったのです。
トランプ発言の背景には、「同盟国に自主的な防衛力強化を求める」という発想があります。実際問題、北朝鮮の脅威と中国の覇権主義から日本を守るためには、自主的な防衛努力が必要なのは明らかです。
ですから、首相や天皇が靖国神社に公式参拝し、日本国民が戦没者を追悼することを当然のことと見なし、それを通じて国防意識に目覚めることは、米国の国益に合致するのです。
もちろん、この論理を押し出すにあたっては、靖国神社に関しても、もう少し整理すべき点もあるでしょう。たとえば、誰を祀って、誰を祀っていないかなどです。
いわゆるA級戦犯というカテゴリーがいかにいい加減なものであるか、はもちろん説明しなくてはなりません。
これらのことは日本国内では詳細に議論されていますが、外国人が理解できるような理論で、英語で書かれた論文を見たことがありません(私が知らないだけかもしれませんが)。
現時点では、海外の報道で靖国神社は「戦争神社-War Shrine」と形容されることが一般的です。まずは、この認識をひっくり返し、靖国神社公式参拝は危険な右傾化どころか、米国およびその同盟国の国益に完全に合致するものだという認識を一般化しなくてはなりません。
もちろん、論文を書くだけではだめです。
それを持って、全てのキーパーソンを説得して回るのです。米国のオピニオンリーダーに賛同してもらうことが重要です。
容易なことではありませんが、今はむしろチャンスだと言えます。今やらずしていつやるのか?と私は考えます。そして、こちらが主張する認識が国際社会で十分に共有された時点で、初めて中韓を完全に無視して公式参拝を実現できるのです。時間を要します。
こういう話をすると、「そんなことができる人材がいるのか?」と言われそうです。
私は以前、このアイディアをベストセラー作家の門田隆将さんにお話したところ、賛同を頂きました。あとは賛同してくれる政治家が必要です。つまり、言論人と政治家が戦略的連携を結んで協力すれば、きっと実現できるはずなのです。
言論人と政治家の立場の違いを強調しても無意味です。考えるべきは、どうやって共通の目的の為に協力するか、なのです。
山岡鉄秀 Twitter:https://twitter.com/jcn92977110
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