「子供がなかなか言うことを聞いてくれない」というお悩み、よく聞かれます。ですが、言葉の選び方次第では、より理想に近い反応を得られるようになる、というのは無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』の著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さん。親野さんは今回、たくさんの具体例を上げながら、効果的な言葉の使い方を解説してくださっています。
抽象的な言葉はNG。具体的な指示なら行動に移せる
子どもにやらせたいことがあるときは、それを具体的に伝えることが必要です。抽象的な言い方をしても、子どもには実際にどうすればいいかわからないことがあるからです。
例えば、「早くしなさい。電車に遅れるよ」と抽象的に言っても、子どもはどれくらい急げばいいのかわかりません。「9時47分に家を出るよ」とか「あと7分で家を出るよ」などと具体的に言えば、行動に結びつきやすくなります。
「プリントをしっかりたたもう」より「プリントの2つの角をぴったり合わせてたためるかな?」の方が具体的です。しかも、挑戦意欲を掻き立てられます。
同じように、「脱いだ靴を整頓しなきゃダメでしょ」よりも「靴の右と左をピッタリ合わせられるかな?」の方がいいでしょう。
ドアをバタンと閉める子には「静かに閉めなさい」より「あと5センチのところで一度止めると静かに閉められるよ」と教えてあげましょう。椅子の座り方については、「行儀よく座ろう」より「両足を床につけて座ろう」です。
「しっかり消してから書き直そう」より「消しゴムで真っ白にしてから書き直そう」です。「消しゴムのカスは床に捨てないで」より「消しゴムのカスはゴミ箱に捨てよう」です。
「早く勉強を始めなさい」より「1分以内に始めるよ。用意、ドン」です。「休んでないで集中!」より、「あと2つやったら休憩しよう」です。
いくつか例を挙げましたが、大事なのはその場に応じて、そして子どもに応じて、言葉を工夫することです。
まず具体的であること。ゲーム的でもあればさらに効果的です。心がけていればだんだんうまくなります。
初出『Smile』(学研エデュケーショナル)
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