惚れ込んだ客が大挙。「技術スタッフ集団」を育てた方が良い理由

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スニーカーやラケットなど既成の商品はどこで購入しても質は均一ですが、商品の加工や修理などはスタッフの技量に大きく左右されるものです。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、「商品のメンテナンス技術はお店の財産」だと強調した上で、特定スタッフの優れた技を店舗側が取り込んで増やしていく事が重要な理由を解説しています。

技術で繁盛している店の今後

スポーツショップは、さまざまな技術を売りものにしています。例えば、

  • テニスラケットのガット(ストリング)をうまく張る
  • 卓球ラケットのラバーをきれいに貼る
  • スパイクの破れを補修する
  • バットやラケットのグリップテープをうまく巻く
  • ウエアやバッグに文字を刺しゅうする
  • ユニフォームにマークやゼッケンを貼り付ける
  • 足型を測ってピッタリサイズの靴を選ぶ
  • 走り方や足の形に合うように中敷きを調整する
  • 野球グローブの型付けをして扱いやすくする

といったものです。どのお店にも、これらの技術に優れたスタッフがいますが、そのスタッフにやってもらわなくてはイヤだというお客様もいます。まるでカリスマ美容師のようです。

そのスタッフの技術は何が優れているのでしょう。例えば、ラケットのガットを張る場合、同じガット張機でお客様の指示通りの強さで張ったとしても、スタッフによって微妙に仕上がり具合が違います。そして優れたスタッフは選手ごとに微妙な調整をして一番ピッタリとした仕上がりにすることが出来るのです。

これは、あらゆるスポーツ用具の技術について言えます。ですから、スポーツの上級者になればなるほど感覚が鋭くなっていきますので、より技術の優れたスタッフを求めるのです。そのため、さまざまなプロスポーツの選手やチームには専門の用具担当者がはり付いています。練習や試合の場で用具の修理や補正をする必要があるからです。

そして、お店の技術については、こんな事例があります。

技術に優れたお店の事例

あるお店が、野球グローブの加工とスパイクの修理がうまいと評判です。もともとは靴屋さんでしたので、スパイクの修理はお手の物。グローブの加工は野球メーカーさんの腕利きに指導してもらいました。

最初の内、加工・修理を頼みに来るお客様はぽつりぽつり。何年も続けていると技術の高さが口コミで評判になります。やがて、山のように加工・修理依頼がくるようになってしまいました。それにつれて野球用品が売れるので大繁盛です。笑いがとまりません。高い技術のおかげです。

そんな状態が何年も続きました。ところが最近はお客様の数が減ってしまっています。今年に至っては、2割減です。当然売上も良くありません。このままいけばジリ貧状態です。

どうしてこんなことになったのでしょうか。一つの原因は、競合店の出現です。近隣の野球に強いお店が、どこもグローブの加工に力を入れ始めました。しかも、価格が安いです。こうなると、お客様がばらけてしまいます。困りましたね。どうしたらいいでしょう。

私がアドバイスをするとしたら技術スタッフを増やすことです。そして、技術屋集団となることです。

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