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思春期の子どもを持つ親が身につけたい「聴く姿勢」4つのポイント

親と子の会話が、あるときギクシャクし始め、親のほうが子どもの顔色を伺うようになってしまう。思春期の子を持つ親御さんにはそんな悩みを抱える人も多いようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、「自分はもう大人」と自覚し始めた年頃の子どもとの会話のコツと、気をつけたい「言行不一致」についてアドバイスしています。

どう聴く?思春期の子どもの話

Question

娘との会話では、最後には必ず娘がキレます。「お母さんに聞いてもらっても結局、最後はお説教になるからイラつく」と言われてしまいます。私はそんなつもりはなく穏やかに話しています。

娘と会話することに、最近は構えてしまってご機嫌取りのようになってしまいます。上手くコミュニケーションを取るにはどうするのが一番良いのでしょう?(高1女子のお母様より)

柳川さんからの回答

思春期の子どもは子どもの面を持ちつつも、「自分はもう大人」という自覚も移行期です。親からの干渉や、子ども扱いに抵抗します。そんな時期の子どもとの会話のコツをお伝えします。

1.子どもはただ聴いてほしい

反抗期の子どもでも、本心は親に話を聴いてもらいたいと思っています。ですからまずは、否定せずにとことん聴くことです。自分の考えを持つようになった子供の話を「うん、うん」「そうなの」「そう思ったのね」「あなたなりの考えがあるのね」と受け止め、聞き役に徹することです。何かを伝えたいのであれば、子どもが「私の話をしっかり聴いてもらえた」と思えてからにしましょう。

2.基本は「傾聴」

傾聴というと難しそうですが、「相手の良いところを知る」ための聴き方とも言えます。「聴くためのスキル」でもありますが、その先にあるのは相手を知ることです。聴く姿勢のポイントとしては次の4つがあります。

  1. ペーシング(相手のペースにあわせる)
  2. ミラーリング(鏡のように同じことをする)
  3. バックトラック(おうむ返し)
  4. 要約(タイミングに応じて要約する)

おうむ返しの例として、東京巣鴨にあるマックは、日本で一番リピート率の高い店として有名だそうです。その理由は、傾聴のスキル、ペーシングとバックトラックを使っているからとも言われています。

例えば「ジャガイモ揚げたやつ1つ」と言われると、相手に合わせて「ジャガイモの揚げたやつ、1つですね?」と答え、決して「ポテトフライ1つですね?」とは言わないのだとか。これが、相手の話を聴いているということなのでしょうね。

3.大人と話すつもりで

親は我が子に遠慮がないですから、ついついきつい口調や、ぞんざいな口調になりがちです。思春期の子どもたちは、「自分はもう大人」と自覚を持っていますし、尊重して欲しいと思っています。ですから、子どもを近所の大人だと思って話をしてみましょう。そうすると、親もぞんざいな口調ではなく、踏み込みすぎずに会話をできるはずです。

家庭教育アドバイス…「言動一致の法則」

子どもと話をするときに気をつけたいことの1つに「言動一致」があります。つまり、態度と言葉が一致していることです。イライラしているときに「母さん、怒ってる?」と聞かれても「怒ってないわよ(怒)」と言ったことはありませんか?体調が悪そうなのを見て、子どもが「ママ大丈夫?」と尋ねても「大丈夫よ」と答えたことはありませんか?

このような「言動不一致」は、子どもに「親の本心は別の所にある」という認識をさせてしまいます。親が何か言っても、「どうせ本当はそう思っていないだろう」と考えてしまうのです。

人を信じることができない人間になる可能性もありますのでやめましょう。子どもを1人の大人として、信頼して正直な気持ちで向き合うことが大切です。

image by: Shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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