普段は子どもを一歩引いた目線で温かく見守ることができても、イライラしているときに同じように接するのは簡単ではありませんよね。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、無思慮な一言が子供との信頼関係を壊してしまうこともあると論じ、イライラを子どもにぶつけないための「メタ認知」の活用法を紹介しています。
メタ認知で自分自身の状態に気づけばイライラに飲み込まれなくなる
親はもちろんのこと、子どもに先生と呼ばれる人、監督やコーチなど、子どもを相手にする全ての大人たちが最も気をつけるべきことは、自分のイライラを子どもにぶつけないということです。
というのも、大人のイライラは弱い立場の相手、つまり子どもにぶつけられることが多いからです。
ストレスが溜まっている、天気のせいで気分が優れない、旦那とケンカして機嫌が悪いなど、こういうときは気をつけてください。
大多数の人は、普段は子どもの気持ちを大切にしようと考えて丁寧な言葉で接しています。子どものよいところを見つけてほめよう、子どもの気持ちに寄り添って共感しようと心がけています。
でも、そういう人ですら、ストレスが溜まってイライラしているときは、つい子どもにぞんざいな言い方をしてしまいます。
大人同士なら言えないようなことも子どもには言えてしまいます。やはり心のどこかで子どもをあなどっているのです。
たった一度のぞんざいな言葉で、子どもとの信頼関係を台無しにしてしまうこともあります。
自分が積み上げてきた積み木を、自分でくずしてしまうことほど虚しいことはありません。信頼を得るには時間がかかるのに壊すのは一瞬です。
そんなことにならないためには、いつも自分の精神状態に気づいていることが大切です。自分をもう一人の自分が客観的に見てモニタリングしている感じです。
心がけていると、「自分は今日あまり機嫌がよくないな」「あっ、自分は今イラッとした」などと気づけるようになります。
これをメタ認知と言います。すると、イライラに飲み込まれてしまうこともなくなります。そして、深呼吸で気持ちを切り替えれば落ち着いて対応できるようになります。
初出『Smile』(学研エデュケーショナル)
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