条件は「オンリーワン」。日本のアパレル、テキスタイルへの提言

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消費者の意識が大きく変わり、日本のアパレル企業を取り巻く環境は大きく変化。コストの安い海外で生産するアパレル企業が増え、やはり環境が変わったテキスタイル企業。ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、メルマガ『j-fashion journal』でこれらの環境変化を解説し、生き残っていくための道を提案します。共通点として上がってきたキーワードは「オンリーワン」でした。

日本のアパレル、テキスタイルへの提言

1.アパレルを取り巻く環境変化

インターネットもスマホもオンラインゲームもなかった時代、ファッション消費の優先順位は高かった。また、ファッションによる自己主張はカッコイイと評価された。しかし、最近は、頑張りすぎるファッションを「寒い」と感じる人も増えている。

生活におけるファッションの優先順位が下がっている。ファッションに対する憧れも減っている。社会全体がカジュアル化し、ドレスアップするシーンが減っている。常にドレスダウンであり、安価なアパレル製品でことが足りる。

アパレル生産の機能が、国内から海外に流出したことは、アパレル産業の空洞化を意味している。アパレル生産に携わってきた人材は職を失い、デザイナー、パターンナー、縫製工等の就職先も減っている

アパレル企業はアパレル卸からアパレル小売へと主役が交代した。ユニクロも無印良品も小売店であり、小売店が海外工場から直接商品調達している。国内生産が減少し、ミシンなどの縫製機器も国内需要よりも海外需要が増えた。

2.テキスタイルを取り巻く環境変化

かつて、繊維産地は産地内でサプライチェーンが完結していた。しかし、生産量が減少し、装置産業である染色工場が維持できなくなった。

また、アパレルの海外生産と海外素材調達が進み、テキスタイルコンパーター(生地問屋)の淘汰が進んだ。付加価値の高い別注専門のコンバーターは淘汰され、比較的安価な生地を在庫販売するコンバーターが生き残った。しかし、これらのコンバーターが扱っている生地の国内生産比率も下がっている。中国から生機を輸入し、国内で染色加工するケースが多い。

中国テキスタイルとの価格競争により、国内生産の生地の価格が下がり、利益が上がらない業態になった結果、事業承継をあきらめ、廃業する工場も増えている。その中で、一部のテキスタイルメーカーは、独自の高付加価値商品を海外ブランドに売り込んだり、国内のデザイナーアパレルと直接取り組むことで、量の拡大ではなく、質の向上と一定以上の売り上げを両立している。

また、テキスタイルメーカーが最終製品であるストール等の製品を直接消費者に販売することで、付加価値の高いビジネスを展開し、成功している企業もある。染色工場のように規模を縮小すると成立しない業態の生き残りは厳しく、規模を縮小しても付加価値の高い商品を開発できる業態は生き残る確率が高いと言えよう。

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