おいしいごはんが、ここにある。象印が仕掛けるレストランの実力

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家電量販店に足を運ぶと、ずらりと並ぶ炊飯器を目にすることはできますが、どのようなご飯が炊きあがるのかは、当然ながら想像の域を出ないものです。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』でMBAホルダーの青山烈士さんが紹介しているのは、象印マホービンが展開する、自社の炊飯器で炊いたご飯を「実食」できる飲食店。家電メーカーがいかにして飲食店経営を成功させているのか、その戦略と戦術を分析しています。

家庭用を業務用へ展開することで顧客が体験する場を提供する

今号は、お米にこだわった人気のレストランを分析します。

象印マホービンが展開している「象印食堂

戦略ショートストーリー

ごはんにこだわる方をターゲットに「炊飯ノウハウお米マイスター」に支えられた「絶品のごはんを堪能できる」「食べ比べできる」等の強みで差別化しています。

徹底的にごはんにこだわる店舗をとおして、ごはんのおいしさを再発見させることで、顧客からの支持を得ています。

分析のポイント

象印マホービン100年目の集大成として生み出した、家庭用炊飯器「炎舞炊き」ですが、炊飯器の競争は激しくパナソニック、タイガー、日立などの既存の競争相手に加えてバーミキュラなど新たな競争相手も加わっている状況です。

家電量販店でごはんの食べ比べをさせてもらえれば自分の好みの炊飯器を見つけられると思いますが、そういった売り方をしているお店は少ないです。ですから、「象印食堂」のようにメーカーが自ら自社の炊飯器で炊いたごはんを試せる場を提供することは、有効な打ち手だと思います。

ですが、家電メーカーが飲食店を出すのは容易ではありません。なぜなら、飲食店を運営するノウハウを持っていないですからね。

象印はどうしたかというと、多業態飲食店の経営を行う「ダイナック」と手を組み、料理は料理家・吉田麻子氏の監修、お米は「金子商店の五ツ星お米マイスターによるブレンドなどその道のプロと組むことで、新たな分野に進出しています。

やはり、新たな分野にチャレンジするときにはその道のプロと組むことはセオリーですので、象印はよい選択をしていると言えますし、複数のプロと組むことがより強みを支えることにつながっています。

また、あくまでも象印の炊飯器「炎舞炊き」は家庭用ですが業務用として利用していることが、面白いと思います。家庭用と業務用は、はっきりと線引きされていることが多いので、家庭用を業務用に持ち込むという発想が素晴らしいですね。

現地の飲食店とコラボレーション店舗を期間限定で展開していますが、今後、既存の飲食店が自店にも「炎舞炊き」を入れたいという話が出てくるかもしれませんね。もしそうなれば、象印が狙っているかどうかわかりませんが、飲食店に象印(炎舞炊き)が入っていると集客につながるような(PCでいうインテル入っているのような)ことになるかもしれません。

今後の象印マホービン、ひいては「炎舞炊き」の展開に注目していきたいです。

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