実は敷金で損してた?知っておきたい「原状回復」の定義

2020.01.16
by MAG2NEWS編集部 NK
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2020年4月1日から民法が改正され、200近くの項目が見直される。この中でフォーカスを充てるのが、「敷金」について。敷金とは、未払いの賃料や損害賠償金、原状回復費用として、大家が入居時に預かるお金のこと。これまで定義が明確化されておらず、さまざまなトラブルを引き起こしてきた。

「敷金を返金してくれない」

国民生活センターによると、敷金が返金されないトラブルは毎年多く寄せられていた。2018年には12,489件、2019年には5,147件あり、その内容はさまざま。たとえば、「賃貸アパートの退去時に敷金を半額返金すると聞いていたが、清掃費が追加されて返金されないという通知書が届いた」「修繕費の請求明細書に記載された敷金と実際に支払った額が異なる。訂正を求めても対応されず困っている」「立ち合いで壁紙やクロス等の原状回復費を請求すると言われた。納得できない」など。これらのトラブルを減らすためにも、今回民法が改正された。

改正後「敷金」の定義

「礼金」、「権利金」、「保証金」など、敷金にはさまざまな呼び方があった。今後は、名称に関わらず、「賃料の担保」を目的としているものは、すべて「敷金」とされる。何のために預けるお金であるのか、契約の際に確認しておくと安心だ。

改正後「原状回復費」の定義

未払いの賃料や損害賠償金、原状回復費に必要な費用を差し引いたお金が退去時に支払われるが、あいまいになっているのが「原状回復費」である。今回の民法改正でルールも明確化され、「損傷が生じた場合には原則として賃借人は原状回復の義務を負うが、通常損耗(賃借物 の通常の使用収益によって生じた損耗)や経年変化についてはその義務を負わない」となっている。

そのため、鍵の取り替えや電気ヤケ、家具設置による床などの凹みなどには、費用を支払わなくて良い。反対に、タバコのニオイや家具をぶつけてつけた傷などは支払い義務が生じる。

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