収納場所を決めているのに、気がついたら出しっぱなし置きっぱなし…なんてこと、ないでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、モノを片付けられない根本的な原因を探り、その対処法を紹介しています。
短い方がいいんだよね
さて、本日は置く場所のお話。
先日、オットの部屋で積ん読本の角にちょこっと足があたって私の足を直撃した上に山体崩壊を引き起こしました。痛いしメンドクサイし、イライラしながら片付けました。なんで本を積むのよ!直置きしないでって言ってるのに!……ま、ヤツアタリってやつですかねえ( ̄∇ ̄)
こういうことが起こらないようにするためにも、片付けなくちゃならないわけですよ。ところが、それができない場合があるんですよね。
そもそもモノが散らかる原因のひとつは、モノを
- 元に戻せない
からです。あ、知ってる?それじゃもう一歩踏み込んでみましょう。どうして元に戻せないんでしょうか?
- 元に戻す気がないから
でしょうか?ブッブブー、ハズレーーー(`×`)その人の気持ちのせいにすると、それはすぐに解決不能な
- 人格非難
に結びつきますよ。いわく、ヤル気がないから、だらしないから自分の仕事だと思ってないから、甘ったれだから…ほら、だんだんムカついてきてませんか?そして、双方得るもののないケンカへと発展していくんです。
このことは、他の悩みでも同じでしょうが、問題となっていることの原因を人の性格や気持ちのような生得的で直しがたいモノのせいだと
- 考えない方がいい
です。生まれながらの性格や気持ちの問題だとすると、解決するのがものすごく難しくなっちゃいますからね。もしそれが本当に原因だとしても、それに取り組む前にいろんなことをやり尽くしてから、取り組んでも遅くはないですよ。
いや、むしろ全てをやり尽くして問題解決スキルをアップさせてからじゃないと、性格や気持ちなんて治せないですから。そのくらいタイヘン。
そもそもそれを指摘するのだって、難しいんですから。だって
- だらしなくて甘ったれてるよね(`3´)
なんて言えないし、言ったら言ったで
- な、なにをぅ?!!(`皿´)!!
と反撃されること必至ですよね。こんな非生産的な話をするよりずっと良い方法がありますから。
話を戻しましょう。なんで元に戻せないんでしょうか?性格以外の原因を考えてみてくださいね。
…実は、この元に戻せない原因は、
- 元に戻す工程が長すぎる(多すぎる)
なんです。これが原因になっていることが多いんですよ。
モノを元に戻す工程が長すぎる(多すぎる)って、どういうことでしょうか。ちょっと考えてみましょう。たとえば、押し入れの引き出しにしまってあるハサミを取り出して、使って、戻すとしましょう。
- 押し入れを開ける
- 引き出しを開ける
- ハサミを取る
- 引き出しを閉める
- 押し入れを閉める
ここまでで、押し入れの外にハサミが取り出せたわけですね。なので、元に戻す時にも当然同じ工程が必要になります。つまり
- 押し入れを開ける
- 引き出しを開ける
- ハサミをしまう
- 引き出しを閉める
- 押し入れを閉める
となります。つまり、ハサミを取り出して、使って、元に戻す工程は、全部で10工程ということです。このハサミが引き出しの中の箱などに入っていたりすると、さらに工程は増えますよね。
逆に、ハサミが出しっぱなしの場合、どうなるんでしょうか。
- 取る
だけでOKで、使った後も同じ工程数で足ります。すなわち
- 置く
ですよね。押し入れの中の引き出しが10工程ですからずっと短いですよね。
なぜか特定のモノだけいつも散らかっているなら、まずはそのモノを取り出して使って、戻すという
- 一連の工程数が長すぎないかどうか
を検討してみるんです。元に戻しにくいと、使ったあとにソコラに置きっぱなしにしやすく結果として散らかってしまうんです。なので、工程はできるだけ
- 短くした方が戻しやすい
んですね。つまり、散らかりにくいんですよ。
多くの場合、モノに辿り着くまでに2回以上扉とかフタとかを開ける必要があると
- 工程が長い
と感じてしまうようですね。つまり、先のたとえで出したようなヤツです。これはクローゼットと引き出しでしたが、このように
- 収納が二重・三重になっているもの
です。
これ、実はたくさんあるんですよ。使用頻度の高いモノでコレをやると
- テキメン散らかる…
んですよね。
元に戻すための工程が少ない方がいいのに、収納が二重三重になっちゃっているものが結構あるんだよというお話でしたね。
たとえば
- 引き出しの中の 救急箱の中の 絆創膏
- 押し入れの中の 引き出しの中の モップシート
- 下駄箱の中の ケア用品のケースの中の 靴クリーム
- 天袋の中の 衣装ケースの中の 畳紙の中の 和服
……などなど。ご家庭にも数カ所あるんじゃないでしょうか。
ということは、極限まで工程を短く、
- そうか、じゃあ出しっぱなしが一番いいんだ!
となりますね。うん。論理的キケツってやつですね。
ところが、そうはならないのがミソなんですよ( ̄∇ ̄)当たり前ですが、すべてのモノが出しっぱなしになっている部屋は
- 見苦しい
- モノを探しにくい
- ものスゴく掃除しにくい
んです。ま、解説の必要がないですが( ̄∇ ̄)
なので、長すぎる工程と出しっぱなしの中間、
- ソコソコのグルーピングになっていて
- 工程が少ない収納
になっているのが最も使いやすいという結論なんです。
で、部屋が散らかる場合、特に見直して欲しいのは
- 使用頻度の高いモノの工程
です。毎日、毎週、あるいは1ヶ月に数回は使っている使用頻度の高いモノ。これは正直言って、工程が少ないほどいいです。出しっぱなしを排除するとすれば
- 開けたらすぐ取り出せる
状態にするのが理想です。収納が二重三重にならないようにするんです。クローゼットや押し入れの中で、引き出しや箱カバーなどを付けないようにしてみましょう。
- すぐに使いたい雑巾代わりのボロ布は、紙袋に直入れする
- 毎日使うランションマットは、引き出しに入れるだけ
- ヘアドライヤーは、カゴに入れればOK
こんな感じです。
逆に使用頻度の低いモノは、多少取り出しにくくても構いません。
- 式服
- ハロウィン用の衣装
- 厚手のダウンジャケット
- 寝袋
…こうしたモノは、使う時が限られているので、手に取りやすい場所に収納する必要も、取り出しやすい必要もありませんから。むしろジャマにならない場所にキチンと収納されていることの方が大切です。
そんなつもりは無くてもやってしまいがちなのが
- 大切なモノを手に取りやすい場所に置く
というヤツです。クローゼットを開けてすぐの一番イイ場所に最も高価なレザージャケットを掛けてある…なんてヤツです。そんな場所じゃなくてもいいじゃない(*゚∀゚*)夏だったらソコには、薄手のカーデとかよく着るカットソーとかUVカット効果のあるスカーフとか、じゃないでしょうか。
元に戻しやすくすることで片付けやすく。散らかりがちだとしたら、元に戻せないような収納になっているだけかもしれませんよ。
image by: Shutterstock.com