もうダメだと思っていたあの店が売上げを回復できた本当の理由

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店舗経営では、売上げ増減や、販売戦略などを巡って試行錯誤を繰り返すものですが、こうしたアイデアも行き詰まってしまったら…どこから手を打てばいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、自店の経営戦略の弱みや強みなどを客観的に仕分けし問題をあぶり出す、「SWOT分析」の実践例を紹介しています。

SWOT分析をしてみる

ご存知のように、SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとったものです。経営戦略を考えるときの問題や課題を整理するためのツールとして使われます。

まず、自社に及ぼす環境の変化を、機会と脅威に分け、その次に、自社の強みと弱みをリストアップ。そのうえで、自社にとっての機会となる環境要素に対し自社の強みをどのように活かしていくかを考えます。この時、脅威と弱みは無視して進めるのが私の方法です。ですから、教科書通りではありません。

そのSWOT分析を、最近実施した講義の中で行いました。その内容をご紹介します。あなたの参考になるかもしれません。今回の講義では、2019年の中小企業診断士二次試験で出題された事例を使いました。起業をしたばかりの小さなネイルショップの事例です。そのお店の概要は以下の通り。

  • 2017年創業
  • 資本金200万円の完全予約制ネイルショップ
  • 40代の女性経営者と友人の女性従業員(Yさん)2人の構成
  • 地方都市の大規模商店街に出店
  • 店舗面積は狭いが、賃料は安い
  • 周囲には大手チェーンと個人事業のネイルサロンが多い

以下、事例にはこの店の置かれている状況がつらつらと挙げられています。それを読んで、私なりにSWOTに分類してみました。

SWOTに分類

機会

  • 業界環境:ネイルサロン市場は成長が鈍化しているが、一定の市場規模はある
  • 商業立地:市の商店街は大規模で、他地域からの来訪客がある。中心部には小型百貨店があり、有名ブランド衣料品店や宝飾店、ファッション関連路面店もある。周辺部には各種生活必需品店が出店している
  • 顧客層:市は県内有数の住宅地であり、商店街周辺は高級住宅地である。市の中心年齢は40~50歳である
  • 地域活動:町内会、寺社、商店街主催のイベントが毎月開催される(桜祭り、七夕祭り、秋祭り、クリスマスマーケットなど)

脅威

  • 競合環境:市の商店街近くに大手ネイルサロンチェーンが出店。商店街周辺に、個人事業の自宅ネイルサロンが多数ある。近々、小型ショッピングモールに大手チェーンの低価格ネイルサロンが出店する予定
  • 顧客環境:競合店出店により、自宅からの近さを重視した顧客が大幅に来店しなくなる可能性がある

強み

  • 技術力:社長もYさんもネイリスト専門学校で技術を身につけた。Yさんは衣装やアクセサリーのコーディネート能力がある
  • デザイン力:社長はパッケージ、販促物のデザイン能力があり、季節感の表現がうまい
  • 店舗:手作りの内装は、落ち着いた雰囲気で高い評価がある。賃借料は格安である
  • 対人力:Yさんは接客力が高く、前職を惜しまれて退職した。商店街の他店とも良好な関係を構築している
  • 集客力:顧客も増えており、固定客が50人前後いる
  • 情報発信力:ネイルデザインがネット上で評判になっている

弱み

  • 立地:店は商店街の中心部から離れた立地である
  • 店舗:店舗は築後年数が経っている。顧客2人で満員となる、狭く細長いスペースである
  • 運営力:施術に要する時間は、一人平均2時間程度である
  • 商品力:顧客が希望のデザインを言葉で伝えるのが難しい。近さを重視する顧客からのオプション注文が少ない

このような内容になっています。

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