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「法の下の平等」は幻想か。IR汚職5議員が少額理由に立件見送り

「100万円は少額」であった点を考慮して、IR事業の賄賂を受け取った秋元司容疑者(48)以外の5人の衆院議員の刑事責任を問わないと東京地検特捜部が方針を出した。時事通信北海道新聞などが報じている。1円でも賄賂は賄賂、罪は罪であるはずが、額の大きさで立件を見送るという判断には疑問が残る。


秋元議員は収賄罪で追起訴

東京地検特捜部はIR事業をめぐる汚職事件で、中国企業「500ドットコム」側から計385万円相当の賄賂を受け取ったとして、衆院議員秋元司容疑者(48)を追起訴した。すでに起訴されている分と合わせると、立件額は760万円になる。秋元容疑者は昨年12月25日早朝、毎日新聞の記者に「はした金は、もらわねえよ。あり得ねえよ。ほんと、ばかたれ」「1億、2億なら別だが、俺は正面から堂々ともらうんだから」「地検は、はしゃぎすぎだ。こんなことで身柄拘束しやがって。徹底して戦ってくるわ」と高圧的な電話を入れていた。次々と問題が明らかになる秋元容疑者から今後も目が離せない。


100万円は少額だからOK

中国企業は、秋元容疑者以外の5人の衆院議員への資金提供も供述した。しかし、「事務職員が100万円を受領したが、収支報告書に記載しなかった」と説明し、日本維新の会から除名された下地幹郎元郵政民営化担当相以外の4人は否定している。4人は「職務に関して」は、金品を受領しておらず、秋元容疑者のような立場になかった。

また、過去2015年に起訴されている小渕優子元経済産業相の元秘書らの虚偽記載額は3億円を超えており、今回の額と大きく異なる。特捜部は経緯を確認した上で、起訴を見送った形だ。1円の商品でも万引きしたら「犯罪」であるというのが当然の考えだろう。しかし、衆院議員の罪は額の大きさで決まるのだ。

そして今回、国と国民との金銭感覚のズレを改めて感じることとなった。秋元容疑者も述べていた通り、衆院議員や特捜部にとって、100万円は「はした金」なのだろう。我々国民にとっては十分高額であり、重大な問題であることをどうかわかっていただきたい。

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source:時事通信北海道新聞毎日新聞

image by:秋元司 公式Facebook

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