スポーツ用品業界
ですから、そのようなチームにとって、「デジタルマーケティング」はお手の物です。観客の年齢構成はどうなっているか、観戦の満足度はどうか、応援グッズは何が売れて、どんな人が買っているか、スタジアム周辺の滞在時間はどれくらいか、いろいろなデータを分析しています。
そして分析したデータをもとに、SNSを駆使して情報を流したりファンにアクセスをしたりしているのです。コアなファンを増やすことも大事ですが、新規のファンを増やすにはどうしたらいいかということもいろいろと考えます。各種のイベントを企画しては、また分析です。
このように、古い体質だと思われていたプロチームが一気に変革をしています。そのため、観客動員数も売上も年々順調に伸びているのです。今後プロリーグは、さらに収益を伸ばし発展をしていくでしょう。それもこれも、「人材」がチームに加わったからです。
また、大学スポーツの「UNIVAS」にも、優秀な人材が集まってきています。大学スポーツがプロスポーツのように変革をしていけば、アマチュアスポーツのあり方が変わっていくでしょう。当然そこには「デジタルマーケティング」が導入されます。そして、そこにはビジネスチャンスがありますから、スポーツ以外の企業も参入してくるに違いありません。
では、振り返ってスポーツ用品業界はどうでしょう。メーカーさんの多くは「デジタルマーケティング」の重要性を分かっています。しかし、プロスポーツリーグやチームのようにうまく活用できてはいません。
スポーツ用品業界には、POSシステムもあります。小売店さんには会員データもあります。デジタルマーケティングを行うための材料があるのです。うまく活用すれば、お客様を増やしたり、お客様に喜んでいただける商品やサービスを提供できるのではないでしょうか。
問題は「人材」です。デジタルマーケティングに精通した人材を登用する必要があります。そのためには、トップが本気になることです。ぜひ、外部から優秀な人材を探してきてヘッドにしましょう。優れたIT企業と手を組むことも必要です。
がんばれ、スポーツ用品業界。そんなことを感じさせられた第3回スポーツビジネス産業展でした。
■今日のツボ■
- スポーツ産業は関心と期待を持たれている
- プロスポーツは「デジタルマーケティング」を駆使している
- スポーツ用品業界も遅れをとってはいけない
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