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NY在住20年の日本人社長が勧めるニューヨーク「プチプラ」情報

世界一物価が高いと言われるニューヨーク。何か食べても観光スポットに行っても日本とは比較にならないほどお金が飛んでいくようです。そこで、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者でNY在住20年、『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんが、ニューヨークを安上がりに楽しむための情報を教えてくれました。これからニューヨーク旅行を計画している人には、必見&保存版の情報です。

ニューヨークの食の物価をナメるな

ニューヨークの物価が高いことは、いまさらメルマガネタになるはずもなく。世界一なのは、世界の共通認識です。ここメルマガでも、ストレス発散代わりに(笑)あらゆるものが高すぎる不満をぶつけ続けてきました。いや、ケチと思われるから書かない方がいいんだけどね。それでも書かずにいられない、素うどん1杯1500えんの世界(具材を入れたら2000えん超えます。ちなみにオシャレで高級なうどん専門店の話ではなく、フードコートのプラスチックの器に入ってるような、お世辞でも美味しいとは言えない代物が、です)。

この街で我が双子を大学まで入れるのに、果たして一体幾らの天文学的数字を覚悟しなきゃいけないのか、計算するのも怖くて考えないようにしている今日この頃です。

で、そんな愚痴ってばかりいても始まらないので、今日はそれでもこの街でサバイバルする「安上がり術:プチプラ・ニューヨーク」を。短期留学はもちろん、長期旅行でも役立つ情報にしています。

そもそも日本人は「貧乏暮らし」に美徳を感じることができる稀有な人種。そう苦痛には感じず、楽しみながら、この世界一物価の高い街で「プチプラ暮らし」または「プチプラ観光」をやってみよう。

まずは、食。「少ない予算で食いつないでいく」なんていうと、みみっちく感じますが、「ニューヨークいる間くらい、好きなもの食べよう!」なんて言ってると、あっ!という間に、予算オーバーになってしまいます。この街の食物価をなめない方がいい。

日本からのお客様をアテンドするのも、僕たちの重要な仕事の一つですが、かなり裕福なお客様ですら、毎回度肝を抜かれます。彼らが仮に腐るほどお金を持っていても、そういう問題ではなく、コーラ1本が、日本円で500円で普通に売られていると、二度見してしまうのは当然です。

チップについても、ここメルマガで何度も書いてきたので割愛しますが、最近では勝手に18%のギャランティー込みで最初からチャージしているお店も増えてきています。そのチェックをよく見ずに、つまり、既に込み込みでチップを上乗せされている料金と気づかずに、さらにそこから18%のチップを置いても、店側が「払い過ぎですよ」と教えてくれることは100%ありません。

エクストラ(追加)でチップをくれるいいお客さんだなぁと素直に受け取るだけです。世界一の富裕層も多く住む街、チップに50%、もしくは100%を置いていくお客も珍しくないからです。

チップも英語力も不要。旅行者の味方「デリ」

外食ではなく、当然、自炊が一番リーズナブル。でも、旅行者や短期留学生は自炊設備が整っているわけではありません。だからと言って、毎回、毎回、ファーストフードのハンバーガーばかりを食べているわけにはいかない。そこでおすすめなのが、デリ&グロッセリー。

Delicatessenは元々はドイツ語らしく、日本人だけでなく、ニューヨーカーも省略して「Deli」と呼びます。Groceryは、食料品店とか、雑貨洋品店の意味。デリと比べると、乾き物を売っているイメージですが、実は、もう両者の間に明確な違いはありません。うちの社員間でも、ある一つのお店を、ある社員は「デリ」と呼び、ある社員は「グロッセリー」と呼んでいます。日本で言うところの「イートインできるコンビニ」みたいなものです。

食料品や多少の雑貨品も売っていて、その場で食べられるお惣菜も量り売りしているお店です。スーパーマーケットと違って、下町感もあり、通い続けると、店主と顔馴染みになったりします。あの渡辺直美さんも渡米当初にインタビューした際、宿泊先近くのデリに毎日通い、そこのイスラム系のおじさん店主と仲良くなり、当時の唯一の「癒やしの場所」だったと語ってくれました。

ニューヨークは80年代以降、デリもグロッセリーも韓国人経営者が非常に多く、なので、日本の食料品も今や普通に売られています。その場で食べられる量り売りのコーナーには、ほぼ100%の割合で、海苔巻き、いなり寿司、ホカホカ白米を見かけることができます。

ただ、日本と違って「品質管理」が行き届いてるわけではないので、普通にサラダとかが数時間放置されています。温められ続けたお惣菜は、変色し、カラカラに乾燥し、異常なほど乾燥し、しょっぱくなっている場合も多々あり、その辺りは自己責任で買うしかなさそうです。

そして、「量り売りお惣菜」は、当然、パウンド売りなので、レジで会計時に「意外にいっちゃってるな!(高いな!)」と驚くこともよくある、デリあるある、です。

デリの、そのほとんどが「年中無休の24時間営業」です。だからと言って、日本のファミリーマートや、セブンイレブン、ローソンなんかを想像されたら困ります。日本のコンビニのように明るく、清潔感がある、わけでは決してない。どっちかって言うと、外観も内装も、「昭和の八百屋さん」。段ボールの切れ端にマジックで書かれた値札が商品に立て掛けられています。

治安の悪いエリアのデリやグロッセリーはキャッシャー(レジ)がアクリルのボードに囲まれたりしています。当然、強盗対策です。日本のコンビニで完全武装のレジを見かけることは、まずないと思います。

でも、チップが不必要で、日本食材も売っているデリはやはり、プチプラ暮らしには有効利用しない手はない。英語力も必要ないので、強い味方になってくれるはずです。

値段確認必須のベンダー(屋台)

次におすすめなのが、ベンダー(屋台)。マンハッタンに限らず、ニューヨークなら街中どこでも目にするはずです。特に地下鉄の出入り口付近にはバラエティに富んだ、世界中のあらゆる食のベンダーが集中しています。最近では「OKONOMIYAKI」や「TAKOYAKI」の屋台も目にしました。

で、このベンダー業界の聖地と呼ばれるのが、観光客が集中する6AVEと50丁目界隈。ロックフェラーセンターや、ラジオシティミュージックホールや、MoMAなど、観光名所が密集するエリアは、ベンダーも当然、密集。定番のホットドッグ、プレッツエル、ソフトクリーム、ピーナッツ、シシカバブ、野菜・果物ジュースの他に、最近では、インドカリー、韓国BBQ、パタイ、イタリアン・スパゲッティ、など本当に「世界」が集中しています。

中には、値段を明記していなくて、商品を渡した後にボッタクってくるベンダーも、いまだにあるみたいなので、必ず、最初に値段をはっきりと聞き出しましょう。以前、ホットドッグのベンダーで値段を聞いた際、国籍を聞き返されたことがあります。こっちが「How Much?」と聞いているのに、なぜ、「Where are you from?」と聞き返してくるのか。日本人だと吹っかける気まんまん。答えなくていい。その場合は、さらにまた「How Much!!??」と強気で聞き返そう。

安上がりニューヨーク、3番目におすすめなのが、「チャイニーズ・テイクアウト」。ニューヨークで、と言うよりアメリカで、と言うより、世界的に、どこに行っても、そこにあるのが「中華料理店」。そのファーストフード版。テイクアウト専門店になります。

マンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、とニューヨークのどこのエリアにでも、存在する「チャイニーズ・テイクアウト」。まず、この街の中で「ここだけ市場価格を無視してるの!?」ってくらいに安い!プラスチックのコンテナーにパンパンに詰め込んだFrid Rice(チャーハン)が$3.99くらい。テイクアウト専門店と言っても、店内でも食べられる用のテーブルが1台か2台くらい置かれている店舗も少なくはありません。

米食文化の日本人には強い味方ですが、メニューの全てが脂っこいです。サッパリしたモンなんて見たことがない。それに、何の肉しかわかりゃしない(半分冗談です。でも半分だけ。)重要なのは、魚介類系のメニューは絶対に避けるべき。中国人の友達がそう言ってたんだから、間違いない。

曜日・時間限定を狙おう。無料エンターテインメント10

エンターテイメントは、無料のラッシュです。世界一注目される街は、プロモーションも兼ねての無料イベントの宝庫。お金をかけず楽しむ方法は意外と世界一、多いかもです。以下にリスト形式で、無料のエンターテイメントを紹介します。

ニューヨークの王道のアトラクションに行くとなると、旅行予算のかなりの部分をそれらの入場料に費やすことになります。エンパイアステートビル42ドル。グッゲンハイムとホイットニーはそれぞれ25ドル。フリック・コレクションでさえ22ドルです。そんな中、パークトレイルやウィンドウショッピングなど、1セントも渡さずに楽しめるスポットもたくさんあります(さらに、一部のチケット入場スポットには無料の入場時間があります。)

1)ブルックリン醸造所無料ツアー/Brooklyn Brewery tours

ウィリアムズバーグにある、ブルックリン醸造所(Brooklyn Brewery)の無料ツアーは、土曜日と日曜日、午後1時から6時、日曜日の午後1時から4時まで開催されます。
Brewery Tours | Brooklyn Brewery

2)チェルシーのギャラリー巡り/Chelsea galleries

ギャラリーが最も集中しているエリアはチェルシーで、そのほとんどは10th Aveと11the Aveの20th Stの通り沿いにあります。ほぼすべてのギャラリーは無料で入場でき、購入のプレッシャーもありません。木曜日の夜にオープニングレセプションをしているギャラリーも多くあるので、そのタイミングを見計らって行ってみるのもグッド。

3)グラセン周辺無料ツアー/Grand Central Partnership Walking Tours

毎週金曜日午後12時30分に、グランドセントラル駅周辺エリアで、無料の90分間ウォーキングツアーが実施されています。予約不要のグランドセントラルターミナルの「ささやきのギャラリー」やクライスラービルなどの場所を訪れます。
Tours – Grand Central Partnership

4)ニューヨーク公共図書館を探索/New York Public Library

5番街、42丁目に位置する、ニューヨークで最も有名な図書館、ニューヨーク公共図書館(別名:Stephen A Schwarzman Building)。「忍耐(Patience)」と「不屈の精神(Fortitude)」という名前の大理石のライオンが正面がアイコンとなっている。館内には500人を収容できる読書室は圧巻!月曜日から土曜日の午前11時と午後2時に、日曜日の午後2時に無料ツアーがあります。

5)自由の女神を近くで見る/Staten Island Ferry

ニューヨークと言えば「自由の女神(Statue of Liberty)」!一度は本物を拝みたい、というのが多くの旅行者の願い。ですが、島を往復するフェリーに乗り込み、チケットを買うとなると、時間もお金もかかります。そこでおすすめなのが、ニューヨーク港を横断する通勤者向けのスタテン島フェリー。なんと言っても乗船料が無料というのが最大の魅力!スタテン島とマンハッタンを往復する間に、自由の女神を間近で見ることができる!

以下は、人気の美術館などが、曜日、時間限定で入場無料となるリストです。

6)ニューヨーク近代美術館/Museum of Modern Art
毎週金曜日、午後4時から8時
MoMA

7)アメリカ自然史博物館/American Museum of Natural History
毎日午後4時45分から5時45分の間に入場すれば無料
American Museum of Natural History | New York City

8)ブルックリン植物園/Brooklyn Botanic Garden
毎週火曜日、午前10時から正午までは入場無料
Brooklyn Botanic Garden – Brooklyn Botanic Garden

9)ブロンクス動物園/Bronx Zoo
毎週水曜日は、入場料を自分で決められる。(pay as you wish)
Saving Wildlife and Wild Places – Bronx Zoo

10)サウス ストリート シーポート ミュージアム/South Street Seaport Museum
毎月第3金曜日は入場無料に
South Street Seaport Museum | Where New York Begins

あとは、街を歩くこと。もちろん無料。街歩きが世界一楽しい街であることは断言します。

image by: shutterstock

高橋克明この著者の記事一覧

全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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