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即直帰。安倍首相「質問打ち切り」新型コロナ会見に批判の声

安倍首相は2月29日18時より、新型コロナウイルスの感染拡大防止策をめぐって、初めて国民に向けた会見を開いた。同会見では、臨時休校の要請についてや今後の対策、これまでの対応についての反省点などについての質問もあがったが、国民の理解を得るための説明が不十分だったと、ネットなどで批判の声が殺到している。同会見については、毎日新聞朝日新聞Yahoo!個人など報道各社、大半のメディアが報じていた。

希望語るも、具体性に欠けた冒頭発言

首相は冒頭で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには「今後1〜2週間が瀬戸際」とし、大規模イベントの中止または延期要請について改めて言及。スポーツジムやビュッフェスタイルの会食での感染例について触れ、当面控えるよう呼びかけた。また、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の臨時休暇については、「3月は学年の最後、卒業前、進学前の大切な時期」と触れ、断腸の思いと述べた。

企業に対しては「お子さんのおられる従業員の方々への配慮をお願いいたします」と述べ、負担軽減に向けて小さい子どもを預かれるための対策を講じるとし、休職に伴う所得の減少にも新しい助成金制度を創設するとの旨を発表した。

ほかにも、感染拡大を防止するためにもテレワークなどITの活用を進め、未来を先取りする変革対応を進めると明言。PCR検査については、現在2、3時間を要しているウイルス検出作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めていると明かした。最後に、新型コロナウイルスの収束について「険しく厳しい戦い」と表現し、「私たちは必ず乗り越えることができる」と希望を語った。

臨時休校の要請

首相会見では事前に質問者が指名されており、質問内容も事前に首相官邸に送られていた。質問の内容は、臨時休校の要請についてや今後の対策、これまでの対応についての反省点についてである。

臨時休校について要請した日に詳しい説明がなく、学校や家庭などに大きな混乱を招いたことに対して質問されると、「判断に時間を欠けているいとまはなかった」とし、十分な説明がなかったことについては「確かにその通り」と認めた上で「責任ある立場として判断をしなければなかったということで、どうかご理解をいただきたいと思います」と回答。国民生活や経済への影響、感染をどこまで抑えることができるのかといった今後の見通しについては「私の責任において万全の対応を行って参ります」というに留めた。また、習主席の訪日やオリンピック・パラリンピックの開催については予定通り行う予定だという。

今後の対策について

今後の対策については、「あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小とするために立法措置を早急に進めて参ります」と回答。今年度は2700億円を超える予備費があることを明かし、この予備費を活用して緊急対応策を速やかに取りまとめるとのこと。また、マスクやトイレットペーパーなどが不足していることについては、「マスクの増産支援を行なっており、3月は月6億枚以上の供給を確保する」「トイレットペーパーはほぼ全量が国内生産のため冷静な購買活動をお願いしたい」と述べた。

口だけの「国民を守る」

「未知のウイルスとの戦いは、とても厳しいもの」とし、現場で作業に当たる方々を労わり、「それが常に正しい判断だったかということについは教訓を学びながら未来に向かって生かしていきたい」とした。その上で、これまで「政治は結果責任」と語ってきた自らの発言について触れ、「私自身、その責任から逃れるつもりは、毛頭ありません。内閣総理大臣として、国民の命と暮らしを守る」と語った。国民の命と暮らしを守ることを第一に考えているのであれば、なぜ新型コロナウイルスの流行初期段階で対策を講じなかったのか。なぜ汗水流して働いて納めた税金を桜を見る会やモリカケ問題のような形で「私物化」する事例が後を絶たないのか。ここまでくると、安倍首相の言葉はすベて「上っ面」のように聞こえてしまうのは私だけではないだろう。

思考停止した首相

安倍首相の回答からは、具体的な対策は一切語られなかった。ただ事前に用意された回答を見ながら、それを読み上げるだけだ。フリージャーナリストの江川紹子氏は会見終了を受け、「まだ質問があります」と手を挙げたが、司会者は「以上をもちまして記者会見を終わらせていただきます」と取り合わなかった。しかし江川氏は諦めず「まだ質問があります」「幹事社の質問にも、まだちゃんと答えていません」と訴えたが、「予定の時間を過ぎておりますので」と終了。質問は事前に用意されていた5問のみで打ち切られ、会見はわずか36分ほどで終了した。

江川氏の質問を打ち切った件について、2日の国会で立憲民主党の蓮舫氏は安倍首相に質問。安倍首相が時間がきたことを理由に挙げたため、重要な公務があったのか問うと、首相は打ち合わせをしたと回答した。しかし、29日の首相動静で「私邸」に直帰していたことはすでに明らかになっている。国民の不安と向き合う姿勢は見られず、この不誠実な姿勢を国民はどう感じたのだろうか。

坂上忍「文句たらたら」

2日放送の「バイキング」で、MCの坂上忍氏は「この会見に関しては申し訳ないですが、文句たらたらです」と述べ、質問を受けなかったことについては、「一番興味があったのは質疑応答だったがあれでは内情がまったくわからない」と不満の声を挙げていた。

Twitterの声

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source:毎日新聞朝日新聞YAHOOニューススポーツ報知時事通信

image by:首相官邸HP

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